ミドル転職の振り返り
昨年7月に前職(日系メーカー)を退職し、8月から新しい職場に移りました。40歳を超えての転職は、それまでの転職回数が4回と一般的な日本のサラリーマンと比べて多く経験している自分としても、色々感じ入る事が多い経験でした。初めての外資系への入社で、日系メーカー、しかもどちらかというとコテコテの古き良き産業ばかりに携わってきたキャリアなだけに、きちんと働けるのか?という不安感が募りながらの転職でしたが、1年を経過し、足跡を残すという意味合いもあり、下記の通り纏めてみました。
1. 率直な感想(1年を経過)
駆け足で来た1年間でしたが、まだ何も成し得て無いし、これから何が出来るのかというのも手探りでやっていくしかないなというのが、率直な想いです。環境の変化が大きかったというのが一番の理由ですが、組織がこれまでいた企業と異なり、人間関係が凄く複雑というか(小さな組織ですが)、個人の思惑が強く働いているので、どこを向いて仕事やパフォーマンスを出すのかというのが、いまいち掴み切れていないというのが実情です。営業をしているので当然数値目標はありますが、もっと根本的な組織としてのミッションや価値観的なものが、結構曖昧な感じがします。一つはっきりしているのは、本国(ヨーロッパ)の指令に対しては何が何でも従い、日本の市場がどうであれAdapt(適合)しなければならないという事です...当然無理な部分も多いにありますが。外資系であれば全ての企業がそうなるのか、それとも自分の居る企業固有のものになるのか、初めて外資系を経験する者としてはまだまだ良く分からない点です。これからの経験や外部の情報などを通じて、はっきりとさせていきたいと思っています。
2. 成長出来た?
1年で何を言うとんねんと考えるべきなのか、ミドルキャリアで即戦力なんやから日々成長をしながら成果を出すのが当たり前と考えるべきなのか、分かりませんが、これ迄の自分のキャリアを振り返り、新しく経験出来た事は多いかと思うので、これはこれで成長していると思います。ただスキルや成果という面で考えると、これ迄自分が培ってきた営業スキルやコミュニケーション能力(関係構築力)に随分助けられながら日々乗り越えてきた感じなので、ハード面で何かを得て、一定の成果(付加価値)を出せたという場面はまだ無い様に思います。ここで気付けたのは、自分が何気なく(意識してきた事も含め)積上げてきたスキルや経験が新しい職場や業界環境にも即通じる部分がある事を理解したので、この気付きは自分のキャリアにおいて大きいと感じました(やっぱりメタ視点で自分を俯瞰するのは大事ですね~)。
3. これからどうする?
上記で書いた様に、まだ過去の遺産で食えている部分が多いので、せっかく新しい環境に入ったのだから、試す(チャレンジ)事もしていきたいと思います。具体的にはマーケティングの観点から市場や顧客を切り崩す、みたいな形にしたいのですが、なにぶん業界の歴史が古くニッチな商材を扱うので、余り大上段からフレームワークを振りかざしても効果は無いと思います。最近読んでいる本で、"影響力の武器(誠信書房, ロバート・B・チャルディーニ著)"や"行動経済学の使い方(岩波新書, 大竹文雄著)"というものがあり、人が共通して持っている心理作用を通じて相手や周りを如何に動かすか、といった事を学んでいます。深い題材なのでまだまだこれから掘っていく必要のある領域ですが、こういった所の知識を断片的かつ複合的に用いて、顧客や市場を動かすという事をやってみたいなと思います(凄く小さな所から、一歩ずつ...)。