老人天国

 最近、やたら老人に声をかけられるようになった。少子高齢化真っ只中、そして医療が発達した長寿大国であるという事実が交差して、老人と若者のパワーバランスがかなり崩壊してるように感じる。理論ではなく、肌感の域で。

 私個人としては、話を聴くのはあまり苦ではない。毎回はキツイけれど、一期一会の出会いならば、多少の長話も悪くない。特段面白いわけではないけれど。

 そんな中、ついさっき居たカフェにて、真横で一生懸命勉強してる学生がいた。集中してる学生に見知らぬ老人が話かけた。「AI時代をどう思う?勉強意味あるの?」みたいな感じだったと思う。

 学生「あ、はい、AIも凄いですけど、自分なりにできること頑張りたいと思います。」

 老人「がはは、まぁ全ての分野に言えるよな!それでさ~◯×△□~!!」

 構ってもらえた喜びを胸にさらにヒートアップする老人。とてもじゃないが、学生が気の毒で聴いてられなかった。仮にも勉学に忙しない学生と、長々と語りまくる老人。

 挙げ句の果てには、あまりに話が長いのを察して、学生はその場から居なくなってしまった。

 老人に近づくにつれ、扁桃体が麻痺し、聴く力は衰えてくるが、話す力は増してくる。それが今の脳科学の結論なのはセオリー中のセオリーだ。 

 話す力は増しているものの、聴く力はない。つまり、会話にならない。それに、相手が嫌がってるかどうか?それを察する力も無くなってくる。いわゆる老害と呼ばれる部類だ。

 それでもまだ、本人が気持ちよく話してるつもりになっているだけなら、かろうじて平和かもしれない。

 もっと問題なのは、性格が悪い老人だろう。いざとなったら、悪口、暴虐的、暴力的な態度を取るご老体の方々だ。

 
 会話はできないけれど、信念は強い、一方通行のセリフ。思い通りにならないと故意に圧をかけてくるような人間たちだ。

 成田悠輔の集団自決発言はかなり物議を醸し出した。が、これはまた老人が無条件で弱者と錯覚している人たちの誤った炎上だとも言える。

 ”老人が弱者である”というのは、具体的には体力や健康面での話だ。電車で困った老人が居たら席を譲ればいいし、真夏に目の前で自転車ごと転んだ老人が居たら、様態を確認し、必要なら救急車。大丈夫そうなら、支えつつ立たせてあげて、塩分の入ったペットボトルでも買って、途中まで送ってあげればいい。

 ただ、社会的に言えば、彼らは圧倒的に若者を凌ぐ強者である。そもそも母数が多く、選挙権の関係上、政治の意向はほぼ老人が舵を切っている。70代の平均貯金額は2720万円。社会の重鎮ももちろん高齢者たちだ。

 テクノロジーに弱く、生産性も全くない老人たちのプランは勿論スカりまくり、30年間経済が停滞している最もな要因とも言える。

 そしてどうしようもないこの状況を打破すべく、若者が立ち上がろうが、選挙権の割合で全く政治に関与しても意味をなさない状況。余計無力感を帯び、はした金でSNSやソシャゲーに戻って自分の好きなことに舞い戻っていく。

 そう、貧乏な若者たちは、ネットの力で貧乏感から仮の脱却をはかるのだ。電子テキスト、激安アプリ、動画配信…。挙げ句の果てにはパパ活。からの性病蔓延。笑

 
蟻地獄に巻き込まれた蟻のように。目の前の課題に取り組むことに精一杯で、社会全体に立ち向かうエネルギーも無ければ、上に上がる為の野心も知識もない。ただただ力のない”いい子”として、老人たちに管理されてるわけだ。

 仮に市場を支配しようとしても、国が高齢者に支配されている為、ニーズも高齢者にある。若者の立場はどんどん息苦しくなるし、規模も需要も縮小していく。

 そして成田悠輔を燃やした鈍い連中も、自分らが高齢者に押し潰され、身動きが取れなくなった時、はじめて気づくだろう。新陳代謝、そして革命の必要性。今にもこの国は、老朽化して崩壊する寸前だと。

 また国内だけの問題ではなく、日本人の生産性の無さは、記録的円安にも響いている。円の価値が下がるということは、世界から期待されてない何よりの証であり、これも、少子高齢化が密接に関係しているだろう。

 既に今、老人に支配され、息苦しくなりつつある若者たちだけれど、さらに10年後、自分たちの好きなことがさらに制限されるかもしれない。なぜなら、若者向けの市場の需要が下がるからだ。

 時代の需要と共に、銀行がオワコンになってる。そんな銀行の次の手は、投資信託だった。高い手数料でぼったくり、リテラシーが無い老人に投資をさせる為にしつこく営業をかける。 

 銀行は国民の資産を知り尽くしている。話に飢えた金だけある老人からどんどん金を回収しにいくだろう。

 もちろん、全て金の為だ。ビジネスである。銀行に限らず、多くの職種が老人に媚びを売り、諂い、つまらない話を聴いて金を引き出す時代に突入していくだろう。 

そうして老人天国。複雑な若者の心境や葛藤は無視され、昔の価値観を押し付けられ、病んでいくのかもしれない。何より必要以上に表裏を切り替えるのは、多大なストレスを感じるはずだ。

 最もわかりやすい解決法は、少子化からの脱却だが、そもそも若者に金が無さすぎる、そして貧乏の癖に、昭和のような恋愛や贅沢に憧れている人間たちは多い。また親戚もそのような価値観に囚われており、現実とあまりにも解離してる夢物語を感じるだろう。

 二人に一人が不倫(浮気)、三人に一人が離婚、また離婚理由の二位が金銭トラブルであることもこの国のヤバさを現している。明らかに現代の生活スタイルに結婚や子育ては合ってないのである。

 オマケに高齢化により、老人の面倒も見なければならない。年金も貰えない世代が、子供と老人の世話に明け暮れる。

 このような現実が、より少子化を加速させる悪循環。もうここは暗い未来を無視して、子供作らないといけない法律でも作ってしまおう。なんて言ったものなら、ジェンダー問題や、女性の自立支援と矛盾が生じるので却下。

 
 このままこの国は老朽化が進むが、ついに老人天国の黄金期になるまでの途中で、老人たちも、老人たちだけでは生きていけないことに気づく。「ヤバい、あたしたちの面倒は誰がみるんだい!!あたしたちは助けられたいんだい!そうだ!少子化解決!今からでも!やらないと!」

 そんなこんなで結局AIとクロスオーバーするかのようにベーシックインカムが始動されるだろうが、政府にはなるべくはやめに覚悟を決めてもらいたい。笑

 
Mr.J-Boy

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