蛙の解剖
ー“蛙化現象”とは? 心理学用語の一つとしても知られる“蛙化現象”とは、好きだった人が振り向いてくれた瞬間に相手に嫌悪感を抱いてしまう現象のことを指します。 両思いになった瞬間に、突然相手のことが気持ち悪いと感じてしまうという矛盾した心理なのですが、女性によく見られます。ー
グリム童話の「カエルの王様」からの由来。
最近は汎用性が高くなってきており、些細なことから好き→嫌いになるような極端な感情変化にも“蛙化現象”が適用されるという。なるほど。
フードコートでキョロキョロ自分を探してるのがダメとか、LINEでちゅ~とか文字にされたら引くとか。(くだらねぇ~笑笑)
私のツイートはこちら。
「蛙化現象がなぜ叩かれるのか?を考えたけど、好意→嫌悪の温度差に残酷さを感じるからだろうね。 じゃあ普通→嫌悪はOKなのか?という話になる。 人が人を嫌う理由なんておおよそ大したことがない。それが本質であり、恋愛がたまたまそれを具現化しやすいだけさ。笑」
そもそも蛙化現象はかなり前から存在していたけれど、なぜ最近やたらと目立つようになってきたのか?いや。なぜ最近増えてきたのか?やはりネットの普及が原因だろう。
それも盛れた写真で溢れたインスタグラム。イケメン美女がデフォルト、アニメ見放題のネットフリックス。インフルエンサーの年収自慢のユーチューブ。
ネットというのは理想。いや、虚像の宝庫である。いくらでも現実逃避できる材料が揃っている。だけれどネットをいくら使い倒そうが、現実世界の自分が変わることはない。
つまり、どんどん理想のハードルが上がっていくのだから、それに連動して自分の自信は落ちていく。
”理想と現実の差を広げすぎた自分に責任がある”のに、”それを現実で補おうとする。”そんな人々への因果応報が”蛙化現象”なのだと思われる。(可哀想~笑)
簡単に言えばドーパミン中毒である。ドーパミンというのは幸福感を感じた時に分泌される神経伝達物質のひとつ。ドーパミンを分泌しすぎると、脳内のドーパミン受容体が増える。そして少量のドーパミンでは満足できなくなる。余計に刺激が必要になるのだ。
ドーパミン受容体が広がった状態というのは、アルコール中毒、麻薬中毒と似た状態である。絶望を感じやすく、些細な幸福もしっかり噛み締めることができない。相手の本来愛すべき欠点も、失望の条件に変換されてしまう。
つまり、病気なのである。だから、蛙化現象の使い手は、相手が理想の状態にいる時。たまらない気分になっている。心は浮かれ、脳内ドーパミンがドバドバ出てる変態なのである。理想と脳内のフィット。それはまるでテトリスが一気に10段連続でハマるような極致。
だが、残念ながらそこで試合は終了しつつある。常人が、「さぁ!これからだ!」とこの先の恋愛に胸を高鳴らせてる頃には、蛙化現象の使い手は賢者モードになっており、冷めた目で恋人を見ているのだ。蛙化現象の使い手の脳内はこう言っている。「もう十分スッキリした。あなたは用無しだよ。」と。
相手が理想から外れた瞬間、脳内麻薬が出なくなる。もうそれはヤクの入ってない注射器のようなもの。そんなものをありがたる麻薬中毒者はいない。新たな麻薬(異性)を求めて、またウロウロ。いや、ピョンピョンと跳ね回るしかない。
こういった原理を理解していれば、恋人が蛙化現象に陥っても、気にすることはない。科学で説明がつくのだから。逆に自分が蛙化現象の使い手になってしまってるならば、理想を膨大化させるネットを封印し、特に画像や映像を断ち切り、しばらく活字重視にするといいだろう。ポルノ、アニメ、インスタ、ユーチューブを少し封印し、理想と現実の隙間を埋める作業。それでも治らないなら、治療をオススメする。笑
蛙化現象が起きる原因は、起こす側の自信の無さ、またドーパミンが関係している。と、話した通りだけど、そもそも蛙化現象が起きなくても、自信がないと物事はうまく運ばなくなる。
うまくいっていた夫婦や恋人だって、例えば旦那(彼氏)さんが急に仕事がうまくいかなくなった。とか、スランプに陥った。とか。奥様(彼女)のほうが、夢を追いかけてたけど、些細な嫌がらせを受けて自信失くしちゃった。とか。
そうなったらやはり、今まで通りのようにはいかなくなるかもしれない。何が理由でそうなるかなんて、人間には予測できない。
蛙化現象というのは、あくまでその要因のひとつにすぎない。経済は悪化してるのに、ネットの影響で理想は高くなってる。
そんなアベコベの現代社会で、自信のない人々が強がって、見栄を張っている。そんな自分をさらけ出せないでもがいている現代人。そして相手に原因を押しつけるしかない無力さ。それは少子化の原因でもある。
そんな蛙の皆さんを救うのはメタバースか?それともガムのように噛んで吐き捨てる異性の連続か?それとも孤独感から生まれる新たな思想か?
蛙の解剖は楽しい。なぜなら、彼らの痛みを知れるからだ。そして”彼らこそが”、真の意味で時代の被害者なのかもしれないーー。
Mr.J-Boy
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