曜日縛りで読んでみた
タイトルに曜日があるか、だけをみて本を借りてみました。
映画の原作だからとか、あらすじに惹かれたからとか、冒頭を少し読んで気になったとか、表紙で一目惚れとか、読み始めるのには様々なキッカケがあります。
今回は敢えてタイトル縛りで、中身とか自分に合う本なのかを一切考えずに読み切ることに専念しました。意外とアタリの本に出会えたし、読了後の達成感がすごかったです。
★若干ネタバレ注意★
念の為、了承の上で読み進めてほしいです。
なお感想文は常態で書いてますので悪しからず。
🍵月曜日の抹茶カフェ
オムニバスで前話の登場人物が次の話で主人公となるのが良かった。いろんな側面から話の展開があり、みんなを応援したくなった。
また半ばの章が暦の名前になり、なだらかに時間軸の進みが分かって落ち着いて読み進められた。タイトルの抹茶と相まって、日本らしい空気感も作り出していた。
月曜日は休日の翌日で憂鬱なことも多いけれど、始まりの日には出会いもあってワクワクとした日とも思わせられた。
青山美智子さんの本。
⛲️公園に行かないか?火曜日に
エッセイのようで小説のような不思議なジャンルだった。
でもそれは日常に小説のようなエピソードが溢れているわけではなく、日常で感情の交流をする機会を設けた時、人の感情が書かれている
小説を想起できたということだと思う。
週末ボケが収まってエンジンをフルに一気に1週間を駆け抜け始める火曜日にしか読めない、ある意味頭を使って読みたい本だった。
語学とは?国際交流とは?人と人の繋がりとは?ということを著者の柴崎さんの体験を通じて考えるきっかけになった。
ストーリーは柴崎さんが参加された、世界中から集まった作家たちが一緒に生活し交流する、アメリカのアイオワ大学でのプログラムでの体験がベース。
その交流の中で"言葉"を理解することはその裏側の文化を含めた意味を理解することだった。突然集まり、それぞれが異なるバックグラウンドを持つ中で完全に理解し合うのは難しい。
でもその中でプログラム参加者は皆、ちゃんと共同生活ができていた。多分これが"世界の縮図"なんだと思う。
作家としてどこかにある共通点が結びつけているのかもしれないけれど、言葉が通じなくても最終的には一緒に生活しなければならないのなら、できてしまうのかもしれないと思った。
それは各々が自分の役割を持っていたり、誰かがが譲歩していることもある。
でも読者の私にはそれらも含めて、共同生活は楽しそうだと思わせられた。
本の中で柴崎さんはアメリカ社会の中でしばらく暮らしていき、馴染んだものの、やはり各所で"アメリカらしい"とつい思ってしまうと言っていた。私も同じ事をイギリス留学で経験していて共感した。
1年弱は旅行と比べると短いようで長い滞在期間だったが、最後まで"イギリスらしい"と思わせられる事に出会ったし、その度にその雰囲気に酔って、なんだか嬉しい気持ちになった。
柴崎友香さんの本は何冊か、かなり前に読んだことがあったし、芥川賞を受賞された「春の庭」は有名な作品。でも今まで読んだ中では「百年と一日」が特に印象に残っている。
誰しもが同じサイズの1日を過ごしても、皆違う1日でその積み重ねから、それぞれの100年やその人自身が構成されることに気付かされた。
しかしながら、柴崎さん自身のことは今まで知らず、今回のエッセイを通じて作風のきっかけに迫ることができた気がした。
特に日本ではまだ稀なケースである、40代での留学経験に憧れた。若いうちの留学は間違いなく後の人生を豊かにするけれども、私も人生半ばにさらに学ぶ経験をしたい。
そのためには半ばに至るまでに、意味ある学びの機会とするために日々鍛錬し功績を残してその機会に繋げていく必要があると思う。
私も現地でしか学べない、実は教科書なんて半分しか当たってないという経験をまたしたい。
💌水曜日の手紙
鮫ヶ浦水曜日郵便局(http://samegaura-wed-post.p3.org)がモデルの話。
郵便局が実在することは読み終わった後に、小さく載っていて驚いた。
些細だけど大きなヘルプを、誰しもが抱えているけれど、意外に実際に口に出して助けを求められないと思う。
だから手紙にして、しかも匿名でコミュニケーションを取り合うのは古くて新しい面白い方法だなと思った。
作中には幸せな成功者が掲げているという、3つの法則が出てくる。自分に正直になることや、貪欲な積極性、誰もが喜べること(確かニーチェも言ってた)などだった。詳細は実際に読んでみてほしい。
これらをモットーに、カッコ悪くても人生チャレンジしてみたい。
☕️木曜日にはココアを
金曜日直前、1番疲れてる曜日だからほっと一息つくのも大切じゃない?と思った時に読みたい本だと思った。手紙でのやりとりにきゅんきゅんした。
でも、ココアを毎回飲むとはヘビーだなぁとなんて、ちょっと思ってしまった私はまだまだなのかもしれない。
青山美智子さんの小説は他にも、お探し物は図書室までを読んだのだけどらこちらも同じく人々の繋がりを魅力的に感じた印象があって好きだった。
シドニーの恋人と文通するキャラクターは、自身もシドニーで働いていたという、青山さん本人と被る部分もありそう。
📚金曜日の本屋さん
読み始めた頃は、少し私が苦手なライトノベルっぽい書き口調に正直不安を覚えた。
しかしながら、著者やキャラクターたちの本好きさに自身と重なる部分を見つけられるのが楽しく読み進められた。
「モモ」や「家守奇譚」など、私自身にも馴染みのある話が登場した。それに地下にある書庫なんて素敵。
☀️土曜日の夜と日曜日の朝
カウンターカルチャーのリアルが描かれていた。
酒や女に溺れる主人公アーサーを好きにはなれないが、仕事をきっちりして翌日も休みである休日の土曜日にやりたい放題するのは、仕事を第一に考えていることの表れでどこかまじめなやつなのだと思った。
加えて、仕事を第一にしているもののその反動で権力に逆らい、休日に羽目を外したくなるのは今の日本の若者とも被る気がした。
景気が良くなっても給料が上がらなくて、この後またよくなるかもしれないけれど、どこか閉塞感がある世の中を懸命に生きるしかないところが作中のイギリス中産階級を見るようだ。
まとめ
土日はまとめてしまったので、合わせて6冊読みました。どれか読んでみたいものはありましたか、、?または既に読んだことのあるものはあったでしょうか!
もし他にも読むべき「曜日本」があったら、第二弾の挑戦を検討したいと思ってます。
ぜひ教えてください!!!