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車とTシャツは汚してなんぼ!
来島してから島(田舎)と都会の間にある、多少なりの綺麗と汚いの感覚の違いというか、ここなら多少なりとも汚かろうが気にならないという感覚というのがあると知った。
例えるならば、お盆にだけ帰省する田舎の親戚の家で感じる清潔感の違いみたいなものである(親戚が不潔だったという訳ではないのだが)。
軽トラの中に蜘蛛の巣が張ってあるのは、わりと通常装備というか、それでこそ軽トラという感じで、車内に雑草が生えていたり、助手席に足の踏み場がないことも高確率だったりする。島にいると軽トラばかり目にするし、ピカピカの車に遭遇することはあまりない。
かく言う私の車も、海の砂が散在し、釣具やバレーシューズやバドミントンラケットが混在している。真っ直ぐに走る以外は苦手な為、至る所に傷や凹みがあるけれど、それに愛着を持っているし、なんら問題ない(私は個人的に、車は汚して、ぶつけてなんぼだと思っている!)。
そもそもオンボロの中古車を15万で買ったので、綺麗に乗り続けようという気概も起きなかった。
白いTシャツも、多少汚れていても島だと気にならない(というか着てしまう)。Tシャツは無難に白を買うことが多いのだが、まぁ生活していると何かしらのシミが気づいたら付いている。それでも島にいると「シミついてるけど、まぁいいか」の精神で、多少のシミのついた服でも全然着る。仕事でもエプロンをしているから目立つことはないので、そのTシャツで行くことも多い。
埼玉にいた頃は、スパゲティソースが付いたTシャツは、パジャマにしても小さなシミが気になってしまい、すぐにお役御免となっていた。
来島した夏にビーチでアルバイトをしていた時、白いTシャツの腹部が、かき氷のシロップでレインボーカラーになった時も、そこまで気にならなかったし、その後に海に入ったら綺麗に落ちていてマジックみたいだった。
それと、すごく嫌なやつみたいな話なのだが、埼玉で暮らしていたとき、私は他人が作ってくれた食べ物というのが苦手な人間だった。バレンタインにクラスの女子で開催されるお菓子交換や、お弁当のおかず交換は割と苦手で、経験はないのだが、他人の握ったおにぎりなんて絶対に食べられないと思っていた。
そんな嫌なやつの私に、島で過ごしていく中で変化が起きていった。
職場の主婦さんのお義母さんが作ってくれた海苔巻きや、島のおばあちゃんの家で出してくれる手製の寒天も、思えば移住体験の際にも意識せずに、出していただいたものを有難く、美味しく頂ける自分になっていた。
島の大らかでざっとしたところ(褒めている)が、私の中で凝り固まっていた何かを排出してくれたらしい。
読者の皆さんも、島に来る機会があれば、是非ともラフな格好で、大いに汚れて海に飛び込んでほしいと思う。