「他社製品は修理しません」の理由
以前、ご購入いただいた方が、再び来店して預けてくれた御修理品。
どうやら他府県から来ているらしい。
たぶん前回ご購入いただいた際に、
「他社さんの珠数でも修理可能であれば承りますよ」とでも言っていたのだろうな。お預かりしたブレスレットは、当社製ではない。
それでも、再来店してくれたことが嬉しい。
当社の製品ではなくても、基本的に可能な修理は承る。
お店によっては「自社製品しか修理しません」というところもあるけれど、これは別に意地悪なわけではなく、他社製品を持ち込まれても保証できません、もしくは、同じ材料がないので同じ様な修理ができません、ということ。これは、うちのお店でも同じ。
一般の方に伝わりにくい、でも、できれば一般の方に知ってほしいなぁ~と思うのが…
珠数玉の穴!
天然石ブレスレットを購入しようと思って珠数屋さんに行く人って、あんまりいないと思う。きっと、天然石のアクセサリー屋さんに行くよね。そして、そちらの方が石の種類は多い…キレイな石いっぱい。
でも、アクセサリー屋さんの石は、基本的にワイヤーやテグスを通すための穴なので1㎜くらいの穴が片側からしか開けられていないことが多い。
この方が、穴あけ時の割れのリスクが少ない。
他方、珠数屋(本式の珠数をつくる珠数屋さん)の扱う珠は、珠の大きさにもよるけれど、1.2~1.5㎜の穴を両側から開けているので穴あけ時の割れのリスクが高い。しかも面取りをして穴の中まで磨いているので、手間もかかる。だから、同じグレードの水晶でも、珠数屋さんで買うのとアクセサリー屋さんで買うのとでは、まったく値段が違ったりする。
珠数は嗜好品の面もあるけれど、基本的には実用品なので、ある程度の耐久性を考えてのことだと思う。
というわけで、アクセサリー屋さんや海外で安く購入した珠で珠数を作ってほしいと持ち込まれても、お断りせざるをえないということになる。
器用な人は自分で修理する人もいるだろうから、天然石ブレスレットを購入する時は、ちょっとだけ穴を意識してみると長いお付き合いができるかも。
でも、アクセサリー屋さんの、あの石の種類の多さはホント羨ましい。
15年前に比べると、珠数屋さんの扱う石の種類が減っているのを実感する…特に天台宗の御念珠は選べる石の種類が少ない。
あの平べったい珠、私は好きなのだけれど。
「おっ!?善通寺さんですね」と言うと、
「主人が大病を患ってから急に信心深くなって、四国まわってるんですよ」とのこと。
「一緒にまわってるんですね〜。良いですね」と言うと、
「うどんばっかり。たまには鰻が食べたい」と笑っていた明るいステキな奥様。
以前にも、うちの店で修理をしてくれたらしい。スミマセン、私は覚えていなかった。。。
最近、こんな風に「前にも修理してもらって」とか「こちらで珠数を買ったことがあって」とか「前に買ったお線香良かったんだけど何だったかな…」なんて声をかけてもらえることが増えた。
起業したての頃は、つねに来月どうなっているかも分からない状態だったのに。
それが気づけば、今年で15年目。
継続は力なりを実感している。
この力っていうのは、自分たちの能力だけではなく周囲からの助力のことでもあると思う。続けていれば実績ができる、実績ができれば助けてくれる人ができる、そしてまた続けていける。
これが15年の財産かぁ~と思う今日この頃。
あっ・・・今月のnoteも3記事しか書いてない。ケイゾクケイゾク…