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そもそも、法人って何?

このnoteでは、現役ITエンジニアの経営者として、法人設立の判断基準やステップをまとめています。

前回は僕が起業した経緯をお話しましたが、
今回は「そもそも、法人って何?」ってところをお話します。


個人事業主とは?

法人の話をする前に、個人の話をします。

既にフリーランスの方は詳しいと思いますが、
「個人事業主ってなんだろう?」
っていうところを簡単にお話させていただきます。

会社員との違い

会社員だと会社が年末調整やってくれるので、確定申告が必要なかったりしますが、個人事業主だと自分で細かい作業をやる必要があります。

ただ、税務署としては、会社が代わりにやってくれてるかどうかの違いで、どちらも同じ個人の申告として扱うため、結果として同じフォーマットの「課税証明書」ができあがります。
(なお、金融機関は、融資の際に「課税証明書」を源泉徴収票と似たような扱いをします)

一方で、法人は会計処理がすべて個人とは別の人格で行われますので、申告する主体が個人から離れて、もう一つ増えるようなイメージがあります。

なお、これから法人設立の話をしますが、個人の活動を否定するものではないです。
むしろ個人の活動っていうのは、ずっと最適化し続けた方がいいのかなと思っています。

NISAだとか、iDeCo、ふるさと納税など、いっぱいありますが、そういうのを判断して模索し、最適化するっていうのはやっていった方がいいのかなと思ってます。

・年末調整や確定申告の有無が異なるが、勤務先に申告してもらっているか、自分で申告しているかの違いで、どちらも同じ個人

・法人とは会計処理が別になるため、個人の活動を最適化するのは法人設立する/しないに関わらずやった方が良い(NISA、iDeCo、ふるさと納税等)

副業について

最近、会社員をしながら個人事業主をしている人が結構いますよね。

なんで副業するのかっていうと、
「会社員以外にも収入が欲しい」
「自分のやりたいこと見つけてやってみたい」
という事だと思います。

税務署としては会社員の収入も、個人事業主の収入も、どちらも同じ個人としての申告になります。

そのため、副業が赤字だった場合、会社員の所得と損益通算というのをして所得税の還付を受けられるかもしれません。

また、これはご存知の方が多いのかもしれないですけど、
副業が黒字の場合は、副業にかかる経費を個人事業主として計上することできますね。

あと、会社員を離職した場合なんですが、少し注意が必要です。
副業をしている人が会社を辞める場合に、
「個人事業しているから失業してないですよね?」
という話になってしまいます。

失業手当を受ける要件として「副業の廃業が必要」っていう制限が出る可能性があります。

・会社員をしながら個人事業(副業)をしている人もいる
・副業が赤字の場合、会社員の所得と損益通算を行う
(所得税の還付を確認する)
・副業が黒字なら副業にかかる経費を計上することになる
・会社員を離職した際の失業手当については廃業が必要等の制限が出る

法人設立とは「人格」を作ること

「法人格」ってよく言いますけれど、
法律上、人格として別なので権利と義務を持つ存在として認識されます。
そして、法的に人格を認められた存在として、契約とか所有権の主体になることができます。

例えば、法人の名前で契約ができるとか、
法人名で土地や知的財産といったものを所有できる、
ということになります。

僕はIT業界でクラウドエンジニアなので、半分冗談で言うと「スケールアウト」になります。

・スケールアップは、1台のマシンの性能を向上させること
・スケールアウトは、マシンの数を増やすこと

個人事業主で副業するのが、その個人をパワーアップさせるスケールアップだとすると、
法人設立は、別の人格を作るのでスケールアウトのイメージになりますね。

新たな人格を創り出し、それを育てるということ
そこに価値を見出し、活用することが重要

・法律上、権利と義務を持つ存在として認識されるのは個人だけではない
・法人も、法的に人格を認められた存在として契約や所有権の主体となれる

法人は資産として売却が可能

あともう一つ、個人事業主と全然違うのが売却ができるっていうことです。出資した人が所有権を売却することができます。

所有権は設立時に出資した額に対する権利で、株式会社の場合は株式、合同会社の場合は出資金になります。

もちろん所有権は贈与することもできますが、その場合、贈与税がかかります。

株式会社の売却の税率と、贈与税、相続の税率は全然異なりますので、どういう形で出口を迎えるかは一度検討しておいた方が良いと思います。

※この辺りの話は「税理士」でないと言えないえないこともありますので、ここまでに留めておきます。

・株主(出資者)は、所有権(株式・出資持分)を売却することが可能
・株式売却は、贈与や相続とは異なる

まとめ

以下に今回のまとめを記載しておきます。
次回は「どうして法人を設立するの?」というテーマで書こうと思います。

  • 会社員と個人事業主

    • 年末調整や確定申告の有無が異なるが、勤務先に申告してもらっているか、自分で申告しているかの違いで、どちらも同じ個人

    • 法人とは会計処理が別になるため、個人の活動を最適化するのは法人設立する/しないに関わらずやった方が良い(NISA、iDeCo、ふるさと納税等)

  • 副業

    • 会社員をしながら個人事業(副業)をしている人もいる

    • 副業が赤字の場合、会社員の所得と損益通算を行い、所得税の還付を確認する

    • 副業が黒字なら副業にかかる経費を計上することになる

    • 会社員を離職した際の失業手当については廃業が必要等の制限が出る

  • 法人設立とは「人格」を作ること

    • 法律上、権利と義務を持つ存在として認識されるのは個人だけではない

    • 法人も、法的に人格を認められた存在として契約や所有権の主体となれる

    • 新たな人格を創り出し、それを育てる、そこに価値を見出し、活用することが重要

  • 法人は資産として売却が可能

    • 株主(出資者)は、所有権(株式・出資持分)を売却することが可能

    • 株式売却は、贈与や相続とは異なる

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みずしの
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