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みずのモデル商会アバターの設定・資料・ギミック全部語りたい! 第17回

長くなったので分割された『夕染雲(ゆうぞめぐも)』後編です。
後編が一番長い、いろんな意味で。

ギミックの話

泳ぎ方

まずどうしても導入したかったギミックとして、人魚らしく移動する、というものがありました。しかしVRChatでは基本的に動けるのは人間の形に沿ったものでしかできないため、そのまま作ると上半身を起こした立ち泳ぎになるわけで……

それじゃあ、ヒューマノイドボーンから外すか、となったわけです

このボーン構造を見て分か

ボーン構造

分かるはずがないと思いますが、本来のHip、Spine、leg以下はVRChatにヒューマノイドとして誤認させるためだけに使い、実際の腰はChestから下層になっている別のボーンにウェイトがのっています。

橙=ウェイトありのボーン

この形状にすることで、実質的なSpineやHip(Spine②・Hip②)をAnimationやPhysBoneで動かすことができるようになります。
移動している時は泳いでいる時はPBrootのPhysBoneComponentを有効化し、同時にAnimationを使って腰を動かして尻尾を揺らして泳ぎを再現します。立ち止まった時にはPBrootのPhysBoneComponentを無効化して、Constraintでヒューマノイドの本物に追従させ、腰の役割をするようになります。

Locomotionも作成しているので、思った通りの動きになって……

作ってみたら、3点トラッキングの時とデスクトップモードの時で動きが違うという現象が起きました。3点以上の時は頭の位置がHMDの位置で固定されますが、デスクトップの時はそうではないので、Headも含めてアニメーションできるらしいです。
結果的に、デスクトップモードの走り状態が一番人魚らしい動きをするっていうね。そろそろデスクトップモードでも動画撮れるようになるらしいので、撮ってこよう。

そして尻尾の方も人魚らしい動きができるように、人魚っぽい座り方を用意しつつ、フルトラの時に脚に追従するモードも作っておきました。

複雑そうに見える座り方Animator

止まった時にIntで選んでおいた座り方1、座り方2、座らない、フルトラ対応へ分岐させて、フルトラを選んでいた場合は本当に足が動くかチェックしたり、しゃがんでいる時は座らずにぺたっと地面につく姿勢にして…みたいなところを制御している図です。

なるべくレイヤー分けて分割した方がミスが少ないとは思っているので、あんまり複雑なことはしたくないものです。

手筈は書いてみたけど、あんまりにも人外前提の構造をしてるので、応用は難しいんじゃないかな…。MAでもそこまで対応はしてないだろうし、本気で人魚を目指している人の可能性の一つとして。

変身

人間大の大きさのものが、鳥の翼で飛べるわけないだろ!

じゃあ天女の羽衣持たせるね、解決!

金魚の羽衣

ただ、身に着けるものなので、通常時もどこか分かる場所につけておきたいということで、腕に結ぶことにしました。視界の邪魔!だがいいのだ!

そして羽衣を使用するというかたちで腕からほどき、羽織ると飛べるようになる=翼に変身するという話ですね。碇は羽衣が勝手に飛んでいかないために、沈む概念として付けています。セイレーンは海の生き物だかね。

……うーん、これで納得してくれるんだろうか。
こじつけといえばそれまでなんだけど、創作ってそういうもんだし、現実だって変わらんでしょう。

ギミック的には、結んでいるリボンがPhysBoneが一定上の長さになると切り替えのスイッチが入ります。広がっている時は両側を掴むとリボンに戻ります。

これPhyBone_Stretchの値が同期されてないから見え方が違う可能性があるってバグが見つかったんですが、対処済みです。テスト大事。

コライダージャンプ&急降下

メデューシア以来のコライダージャンプ実装。だってワールド巡りの時に便利なんですもの。むしろこのために飛べる魔物選んだところもある。

上空からの写真を撮れるので構図の幅が広がる

夕染雲だけのギミックとして、急降下の動作ができるようになってます。両手にコンタクトを置いといて、重なった=翼を畳んだらコライダージャンプが一時的に消えて落ちます。翼を広げたら戻ります。急制動する時に便利だけど、ナチュラルに暴発して落ちることもあります。

そして使っていて気付いた仕様?ですが、デスクトップモードの時に、コライダージャンプで上空に上がり、空中でコライダージャンプを切ると、斜め前に進みながら落下します。これが普通に移動するよりもずっと早い。長距離移動の時に便利です。

この子、デスクトップモードの方が生き生きしてない?

パーティクル

ばさー!
パーティクルで羽根が出るようになっています。

手にあるContact Recieverと、PhysBoneで繋いだSenderで制御しています。Senderが揺れてReciecerから外れるとパーティクルが出ます。PhysBoneの揺れ方と制限を調整して、パーティクルの出る頻度とか出やすい角度などを作り込んでいます。

内から外、上から下、内から前に動かすとパーティクルが出やすいようになっています。

ただ、方向を変えたり走ったりすると予期しないところで出たりします。けっこう調整したけどこの方式だと、ある程度出ちゃうのは仕様とするしかないという結論になりました。
誰かなんか良い方法で腕を振った時だけに出るようにしておくれ。

色一括で変えるの初めて見た!

そういえば印象のところで語ってなかったのでこちらで。

出目金カラーも実装しております。

黒身黒翼

赤と黒で身体の色と服の色を一気に変えられるの便利だねって言われました。

色変えはそれぞれBoolで個別に作っておき、それとは別で服装を着替えるためのレイヤーを作っておきます。Int型で0で待機、アニメーション内容は全てダミーで、ParamaterDriverで服装を一括で変更しています。
Exメニューの方はBottunでIntの数値を振っていき、ボタンを押せば着替えや色変えができるという仕様です。
今回は服と体の2か所だけですが、服とか小物が多くなるほどプリセットをいくつか作っておくと便利です。せれんとかメエメルとかにも同じようなものが実装されています。

描いた絵

縦にながーく描きました。横1500×縦6000の自由すぎるキャンバス。

実は羽衣の付け方がちょっと違う

読みのひらがなはフォントですが、ロゴの漢字は自分で描きました。

フォント風手描きロゴ

では、充分と話したので満足しました。『夕染雲(ゆうぞめぐも)』回はこのあたりでお開きとしましょう。
次回は、現在制作中のアバターと、みずのモデル商会そのものについての話を少しだけ。たぶん今期最終回です。

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