魂の光化 【美と愛についての断章】
愛は美を見顕す
美は生命を賦活する
愛の条件は無条件
なべて世は美しい
顕す者 顕れるもの
互いがひとしく
高揚し 鎮静する
湧き立つと同時に鎮まる
隠されていないのに
秘儀であり
秘密であるもの
∞
いちばん近くの
ようやく出会えたものに目を瞠る
∞
心音を放つすべてのものたちは
耳にはふれぬまま与している
反響し 共鳴し合う
万華鏡のようなこの世界に
∞
「魂の光化」
一篇の詩の書かれた一片の紙が燃えれば
その火はおそろしく美しいにちがいない
世はかくも美で満ちている
透明なかたわらに
時のない〈とき〉が在る