18年ぶりの十二国記 結末気になるけど読み終えたくないジレンマ
18年ぶりに出た「十二国記」シリーズ『白銀の墟 玄の月』。実は昨年末に読み終えていたんだけど、ぜひいろんな人に読んでほしいのでおすすめレビュー(ネタバレなし)を!
ほんとーーーにハラハラドキドキの、最終巻の残り3分の1になっても安心できない展開だった〜。「ちゃんと終わるのかな?」と心配になるぐらい。笑
十二国記は「異世界ファンタジー」といってしまえば簡単なのだけど、
「天が麒麟を遣わし、民意に沿って王を選ぶ」というルールがある12の国のお話。どこか「中華」っぽさを感じさせる国々や文化。
1作目『月の影 影の海』を読んだとき、わたしは確か中学生か高校生だったと思う。同年代の日本の女子高校生(中嶋陽子)が主人公で、麒麟が突如として現れ「慶国の王」という天の定めに翻弄される。悩みもがき苦しみながらも、なんとか異世界で歩みを進めようとしていく姿にめちゃくちゃ共感した。
今回の『白銀の墟 玄の月』は、謀反を起こされた王がなぜか不在となっている戴国のお話。
黒髪の麒麟(黒麒・泰麒ともいう)は、謀反人に角を切られたため、触を起こして生まれ故郷の蓬萊(日本)に逃げ、戴に戻ってきた……ところから物語はスタートする。
実は18年ぶりだったので(てことは、前回の本が出た時にわたしは高校生だったのか…!!)以前の十二国記の細かなところを忘れちゃってて。でも、忘れてて楽しめた。笑
いろいろ思い出すのに、↓NHKのアニメサイトがすごい役立った!そうそう、黒麒は日本で人間として育ったんだよね、うんうん
いなくなった戴王・驍宗を探す隻腕の女将軍・李斎がめちゃくちゃかっこいい。謀反を起こした阿選のもとに潜り込み、冬を迎える前になんとか民を救おうと策を練る泰麒……超大人になったなぁ……。
探せども探せども驍宗が見つからないので、これはもしや蓬萊に流されているのでは?と想像していたら……!ところどころに出てくる、貧しい民の不思議な行動が、まさかあそこにつながっていくとは……!!うぉーぜひ読んでほしいーーー
結末が気になりすぎてページをどんどん繰ってしまうけど、終わってほしくない…そんな矛盾に引き裂かれるような4巻にわたる大スペクタクルでした。
しかし18年ぶりにシリーズものを再開させるって、どんな思いで執筆に取りかかったんだろうなぁ……。
そして、ライター・前島賢さんの書評のこの言葉に激しくうなずいた!!
18年待ったかいのある新刊だが同時に、この物語を一気に読める新たな読者をうらやましく思う。日本ファンタジーの代表作を読み始めるなら、今が絶好の機会だ。
ほんとだよ!うらやましいよ!まだ読んだことない人は、これを機会にぜひ最初から一気に読んでみてほしい!!
わたしももう一度最初から読みかえしてみようかな~。果たして実家にあるのだろうか……?