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削る作業は難しい

久しぶりに、自分の小説を「削る」作業をした。
削って削って、削りまくったおかげで、3600文字ほどあった物語を、なんとか2000字以内におさめることができた。

削る作業の難しさを痛感したのは、20代のころだ。
当時、私は創作サークルに所属していたのだが、そのサークルの会報誌に投稿する際、文字数の上限が定められていた。
そのため、実際に書き上げた作品がそれ以上の文字数だった場合、規定内におさめられるよう削らなければいけなかったのだ。
好きなセリフも、思い入れのあるシーンも削りに削った。
いろいろ調べて苦労して書きあげたシーンも、最終的に「この物語には必要ない」と判断したときは泣く泣く削った。
その作業は、苦痛で大変だったのだけれど、今となってはいい勉強になった。
自分の文章や表現の無駄な部分と、とことん向き合えたのだから。

去年、久しぶりに小説を何作も書いた。
Web小説は、文字数を気にすることなく好きなだけ書いてアップできるし、コンテスト等の文字数制限もわりとゆるめだ。
なので、削る作業は最低限にして、とにかく好き勝手に書いていた。

そんななか「Prologue」というWeb小説のサイトに登録した。
ここは少し変わっていて、アップできるのは2000文字まで。
長編が目立つWeb小説サイトのなかで、めずらしいのではないだろうか。
これまで2作品アップして、3作品目を「アンハッピーバースデー」にしてみようと考えた。

「アンハッピーバースデー」は、去年、魔法のiらんどに投稿した作品で、文字数は3663文字。
この「アンハッピーバースデー(3000文字〜ver)」がそうだ。

(魔法のiらんどで読む場合はコチラ


1600文字を削るくらい余裕──なわけがない。
3600文字のなかの1600文字、つまり内容の半分近くを削ることになる。
しかも「Prologue」は、縦書きで表示される小説サイトだ。段落冒頭の1文字下げをする必要がある(一方、横書きサイトで多用する改行などは減らすことができるので、そのぶんの文字数は削れたりする)。

というわけで、まず「ここはなくてもいいか」という部分を削った。
物語の本筋とは関係がないセリフや描写など。
でも、それだけだと300文字くらいしか削れない。
さらに、心を鬼にして「不必要だな」というやりとりを削った。
それでも文字数3000文字。つまり600文字しか削れていない。
こうなると、もっと根本的にいじる必要がある。
まず、バレンタインデーの回想を削った。
ついでに、女友達との過去エピソードは、バレンタインデーから誕生日に変更した。
これは、読み直したときに「ん?」となった部分なのだけれど、短い作品のなかに「バレンタインデー」と「誕生日」というふたつのイベントを入れたのは、どう考えても失敗だ。
なので、ここはタイトルにあわせて誕生日のみに変更。
それにあわせて主人公の心情もカットした。
最後のシーンのモブとのやりとりもばっさり削除した。そこはなくても話が成立するからだ。

そうやって、バサバサと削っていって、そのあと「いや、説明足りないな」という部分を付け足して、それで文字数オーバーしたらまたどこかを削って──
そうして2000文字以内におさめたのがこれだ。

(Prologueで読む場合はコチラ


わかっていたことだったけれど「削る作業」はやっぱり大変だし、意識してやるようにしないとうまくいかない。
せっかく文字制限のあるサイトに登録したのだから、今年はこの「削る作業」を頑張ってみようと思う。

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