わたしはcatinthehead。ライターです。
請負う仕事のほかにも「何かを書く人」になりたい。
ライター業をはじめたときそう思いました。
でも10年間、なにも、書けなくて。
今日ようやく、noteを始めることができそうなんです。
自己紹介
わたしはひとことで言うと、にぶい。
身体的にも、精神的にも、にぶい人です。
ふたことで言うと、にぶくて、臆病。
みことで言うと、にぶくて、臆病で、イヤな奴。
にぶくて臆病なのに、精神的な攻撃性がものすごく強い。
精神的な攻撃性というのは嫉妬とか、羨望とか、支配欲とか、悪戯心とか、嫌悪とか排他とかの類で、ひっくるめて「悪意」と呼ばれるものです。
こうした性質のせいか未就学児の頃には「なんかうまくいかない」と感じていました。毎週火曜日の「未来少年コナン」だけが楽しみで、あの30分だけは周囲とのズレを完全に忘れられたのを思い出します。
恩があるにもかかわらず、アニメとは縁遠い大人になりました。
そういう"わたし" とは早く決別したかったから。
周囲とのズレは、大人になっても変わりませんでしたが、会社に就職すると仕事が楽しくて人生観が一変。
職場に行けばやることがあり、お金がもらえて、誰かの役に立てるのです。
学校に行ってもやることがなく、お金も稼がず、誰の役にも立たなかった頃とは別世界。うまれてはじめての手応えに「努力すれば別人になれる」と確信しました。
実際は環境が変わっただけで、わたしが別人になったわけじゃなかったんですけどね。
ところが、です。
ライターって、こんなにも人間そのものだったんだ
会社を辞めてフリーのライター業をはじめたら、過去に葬ったはずの"わたし"が鮮烈によみがえってきました。
きっかけは、インタビュー。
されるほうではなく、するほうのインタビューです。
録音テープを再生したとき、そこには直視できないほどにありのままの"わたし"がいました。
人の言葉がすぐに理解できない。
相手がどんな気持ちなのかピンとこない。
何をどう考えて話せば正解なのかわからない。
会話はかみ合わず、相手はこわばります。
ありのままの"わたし"ではインタビューが成立しないのです。
なんで、ライターなんかになっちゃったんだろう。
おまえは、なんにも変わってない。
別人になれたなんて思い上がりだった。
にぶくて臆病で悪意たっぷりの嫌な奴だ。
自分の声も、気持ち悪い。
録音テープのなかの"わたし"で息がつまりそうになりながら、「ライターって、こんなに人間そのものだったんだ」と思いました。
取材テープの文字起こしなんて、数十秒で、数分間で、耐えられずストップしてしまうので、1時間のインタビューを起こすのに何日もかかりました。
ノロマなライターは、お金にもならないわけで。
やがて「まずは生きなきゃ、何か書くのはその後だ」という焦りに毎日が覆われていく。
自己否定をして、卑屈になり、平身低頭に生きていけば救われるかもと思ったけどやっぱり状況は変わりません。何か書く以前に、ご飯を食べなきゃいけないし、生活費も稼がなきゃいけないのです。
なにに焦っているのかわからないけれど焦るばかりの毎日。そのうちに各方面でお尻に火がつきはじめ、仕事の納期が守れなくなり、好きなビールやコーヒーの味もおかしくなりました。
どうしてこうなったのか。
そればかり考え続けました。
"わたし"が悪いのだから反省して直して改善しようと試みたけれど、別人にもいい人にもなれそうにありません。
ライターを続ける限り"わたし"はむき出しになったまま、目の上のたんこぶみたいに眼前にぶら下がりつづけます。
みないふりはもうできないので、向き合って、認めて、信じて、書くために。
ここでいったん、立ち止まろうと思います。
自分を満たす、旅に出る
わたしは、にぶさゆえの不用意な態度と言葉で、人を傷つけてきました。
臆病なので、人をバカにしたりしました。
本能のような激しい悪意もまだうまく扱えずにいます。
みんなの期待にこたえたかったけど、満足にこたえられなかったのも苦しい。
このままでは、
いつまでも幼く
いつまでも空虚で
生き生きと生きていくことなどできない。
わたしを知って、今を変えたい。
また自分探しの旅?
その歳で?
そうだよ。
まただよ。
なんどだってやるよ。
だって、わからないんだ。
自分で自分を満たす方法が。
わかるまで、旅を続けるんだ。
今日から、noteを始めます。
* * *
2回目のnoteも、プロフィールの続きのような感じです。catintheheadという名前の由来も書きました。