ファインダー越しの冷たい傷跡
私は一般人です。
写真が趣味でも得意でもないのですが、その時に見たものは単なる記録としてでなく、その時の感情や見えるものの物語を撮影する意識でシャッターを押している。ただ、そんな偉そうなことを言ってはいるものの、写真を一度も勉強したことがなく、写真展なるものにも一度も足を運んだことがない。
Facebookやnoteに添付している写真は全て私が撮影したものだが、スマートフォンで撮影したごく普通の写真。そんな写真を褒めてくれる友人が数人いるのだが、褒められているポイントが未だにわからない。訪ねても回答が抽象的。
ある日、私の個人名義で発信しているFacebookに、世界的に有名なミュージシャンから「あなたの撮影する写真はとても素敵だ」とメッセージが送られてきた。
”なりすまし”かと思い、メッセージを頂いた当初はスルーしていたのだが、いつしかマネージャーさんからもメッセージを頂き、どうやら送信主は本物だとわかった。
note記事募集”旅のフォトアルバム"が目に留まったので、これを機にその素人の写真から選りすぐりの”偶然”を載せてみます。今回は東ヨーロッパを旅した時に感じた悲劇の傷跡と復興、そして匂いを撮影したものです。
文化科学宮殿(ワルシャワ / ポーランド)
カジミエシュ地区(クラクフ / ポーランド)
ビスワ川(クラクフ / ポーランド)
フリードリッヒ通り駅(ベルリン / ドイツ)
ホロコースト記念碑(ベルリン / ドイツ)
聖イシュトヴァーン大聖堂(ブダペスト / ハンガリー)
ブラチスラヴァ城下町(ブラチスラヴァ / スロバキア)
東ヨーロッパは何度か訪れましたが、中世の華やかな建造物や大聖堂が数多く立ち並ぶ町並みに、旧共産圏の鉄の感触や戦争の傷跡が垣間見えました。今回の写真はその垣間を撮影したものです。色や形ではなく、その瞬間の感情や感覚、想像までの全てのピントが合った瞬間です。
ここに載せた写真はプロの方から見れば、何の変哲もない素人の写真かも知れませんが、あの日あの時、全てのピントが合った”偶然”として見ていただけたら幸いです。