【Search Inside Yourself 要約】2.命がかかっているかのように呼吸をする
理論
瞑想は決して魔法のような謎めいたものではない
科学的定義 = 実践者を特別な種類の心のプロセスに馴染ませるようにデザインされた一群の心のトレーニング活動
瞑想には多くの種類があるが EQ を伸ばす目的ではマインドフルネス瞑想を用いる
マインドフルネス瞑想が鍛える心の能力
1.注意
2.メタ注意(注意自体に注意を払う能力)......これが集中力を保つ秘訣
メタ注意が強くなると注意がそれてもすばやく頻繁に復元できる
→つねに注意を払っている状態を保てる
それが集中力
注意とメタ注意の両方が強くなると心がリラックスして隙のない状態になる
その状態で「穏やかさ、明瞭さ、幸せ」が現れる
(幸せは追い求めるものではなく自ら可能にするものであり、自らの呼吸に注意を向けるだけで達成できる)
瞑想と運動はよく似ている
・スポーツジムで体を鍛えて身体能力を伸ばす
・瞑想で心を鍛えて心的能力を伸ばす
もっとも重要な類似点 = 「抵抗を克服することで進歩する」
ウェイトトレーニングでは重さに抵抗して筋肥大する
瞑想では呼吸から注意がそれ、それを戻すたび注意の「筋肉」が少し強くなる
だから、悪い瞑想などというものは存在しない
初心者はよく注意がそれるとやり方がまちがっていると思いがちだけど、
実際にはそれがいいエクササイズになっている
実践
姿勢について
隙がなくリラックスした状態を長時間保てる姿勢であれば好きな姿勢でかまわない
有名なチベット仏教の師「堂々とした山のように座るといい」
はじめに意図を生み出す(マインドフルネスの状態でいたいと望む理由)
例)ストレスを減らしたい、EQを養いたい
→ 意図を生み出すたびに心の習慣を形づくったり強化したりする
同じ意図を何度も生み出せば、いずれそれが習慣化し、さまざまな状況で、心の中に湧き起こり行動を導いてくれるようになる
つぎに、呼吸をたどる
呼吸のプロセスにそっと注意を向けるだけでいい
この時点で注意が増すが、たいてい数秒で気が散った状態になる
気が散ったときにやるべきこと
1.呼吸のプロセスに注意を戻し、たんに注意の集中を回復する
2.失敗ではなく成長のプロセスであることを思い出す
3.自分自身に対する態度を自覚する
→自分にどれだけひどい陰口をぶつけているか自覚し、できれば優しさと好奇心に変える
瞑想中、音や考えや身体的な感覚のせいで気が散った場合
1.認める
→ただ認める
2.評価や判断も反応もせずに経験する
→ただ経験する。良い、悪いといった判断はくださない
これが刺激と刺激のあいだに間を置く練習になる
3.反応する必要があっても、マインドフルネスは保ち続ける
→立ち上がったりする必要があってどうしても反応しないといけないときには、意図と動きと感覚の三つに対してマインドフルな状態を保ち続ける
4.放してやる
→気を散らす原因が去りたがっているなら放してやる
決して、むりやり追い払わない
これらが難しければたった一つでいい
「命がかかっているかのように呼吸をする」
より具体的な実践
練習
前回の投稿にあった「二分間のマインドフルネス」のエクササイズを少しずつ延長する
それを10分ほど続ける
しっかりとした形の場合
隙がなくリラックスした状態でおこなう
ゆっくり三回深呼吸する
次は自然に呼吸し、注意を呼吸に向ける
呼気と呼気のあいだの間を意識する
いつ気が散っても、ただそれを認め、経験し、やさしく放し、そっと注意を呼吸に戻す
喜ばしい内面の平穏が湧き起こるように促して瞑想を終える
瞑想に関する調査研究の結果
過去25年間の間に行われた研究結果の一部
・8週間のマインドフルネストレーニングのあとで、被験者たちの不安レベルが下がった
また、ポジティブな情動と結びついている脳の部位の活動が大幅に上がっていた
・免疫機能があがっていた(インフルエンザワクチンに対する抗体をたくさん生み出した)
・脳が刺激をより効率的に処理するようになった
・振幅の大きいガンマ波(効果的な記憶、学習、知覚と結びつけられる)という脳波を生み出せた
・脳の新皮質の厚みがました