【詩のようなもの6編】 チャランポラン
【チャランポラン】
チャランポラン
横断歩道を渡り
少し先の大きな公園まで
歩く 走る 歩く
チャランポラン
次の信号まで少し駆け足
苦い思い出を消し去るために
展開のない日常に足を擦る
チャランポラン
何もない
何もない
それでも年は変わる
いつもの如く寂しく終わる
チャランポラン
また今日も歩く 走る
次の世界まで歩く
【昨日とは違うけど】
夜中に目が醒める
尽きない不安が底を冷やす
傷痕を隠すように泣く
晒せない過去が夢を溶かす
歌詞のある曲が聴けない日
テレビを付けないと寝れない日
鏡にある取れない水垢のような
昨日の自分が醜く見える今日が
怖くて怖くて深呼吸
胃の中で渦を起こす寂しさの源が
昨日とは違うけど
孤独を膨らましながら
朝まで違う世界へ
【コンビニエントな夜】
急ぐように生きて
乗り遅れないように生きて
先端を陣取る 初物を得る
それでいいのか?と問われながら
それが出来ない自分を
突きつけられた時
節約した時間
便利になった今日
社会性も自立性もいつの間にか
僕はドブに捨ててしまって
大切な人との別れを
怯えているんだけど
あなたはどう?
【詮無い25歳】
自分では知らないうちに
随分と大人の役割を
持たなきゃいけない時期に来てる
まだ間に合うような
もう手遅れのような
渦のような思考に飲み込まれて
どこまでも尽きないね
どこまでも届かないね
腹の奥 心の底
願いにも似た寂しさ
忘れられた雑貨のような
見出されない呪いの残滓
まだサンタクロースを待ってるのは
恥ずかしい話だろうか
頼る人がいない不安を
サンタクロースのせいにするのは
情け無い話だろうか
【書く20241226】
快晴が続くその分
心の穴を掘るように書く
20241226
やるべきことはわかってる
でもその為の一歩が
正しいかわからなくて
踏み出せずにいる
脆い 弱い 暗い
書けば書くほど浮き彫りになり
年が変わるのを焦る自分
見えざる手を求めて書く
道理に叫ぶように書く
20241226
【緩やかな発車】
派手な点灯式を欲することはない
長い停滞と手痛い孤独を抱えたまま
お守り代わりになる言葉も抱えて
緩やかな発車で始まる私の人生
17歳の頃からの成長曲線は
もう止まり始めているけど
それでもたまにある
枝から葉が落ちるような
心の機微に背中を押されて
17歳の精神性を引き摺ったまま
緩やかな発車で始まる私の人生
最後まで読んでくれてありがとうございました。
今年もたくさん詩のようなものを投稿して
読んでくれた方がいて嬉しかったです。
また気が向いたら読みに来てくれると嬉しいです。
良いお年を。
水宮 青