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【詩のようなもの6編】 願意
【願意】
良くも悪くも
正論より感情表現で人は動く
面白いもの 泣けるもの
合理的にはいかない
風の声に脚色されていく
誰も捕えられない星の結末
言ったもん勝ちの道徳の中で
誰の物語を信じようか
輝きに満ちた詩情と
色褪せない大切な言葉で
ぷつんと切れた糸を結び直す
再びその日が訪れるまで
先が暗いままでも
願いを込めて心のまま動いてく
【ごあいさつはあなたの背中】
ごあいさつはあなたの背中
幸も不幸もいっしょくた
遍く時の溜め息
毎日ハッピーでいたいのに
気がつくとネガティブなものに寄って
明日が霧になってしまう
だからこそ心の中に置くよ
小さな頃のあなたとの思い出
不幸に酔ったら
幸せが眩し過ぎたら
ごあいさつはあなたの背中
瞬く夢の中
【20250126の僕】
散歩が好きだよ
コーヒーが好きだよ
今日も朝から本を読むよ
でもその後はだらだら過ごすよ
ふわふわした気分の僕は
不安に駆られても
別ルートの散歩に出るよ
口に合わない炭酸の飲み物も飲むよ
陽が沈んでも心は沈まないように
大きな声を出してみるよ
何度も何度も何度も
虚しさに殺されないように
優しい言葉を心根に繋いでおくよ
2025年1月26日のくだらない僕の1日
【謙譲心】
青い考えは身を結ばずに
実る心は束の間の幸せを知る
そんな時に無言で交わす酒
口当たりいいワインでもいい
瞬くように過ぎてしまう時間
心を受け止める為の一言目が
ピンとくるものを出せぬまま
自分の属する世界を遠くへ運ぶ
数奇な運命と光の跡
窓の隙間
見えた景色こそ
もう行かなくちゃならない景色
未来も過去もそのままに
今日を現す謙譲心と共に
僕は僕に乾杯
【振り子時計】
自分の背丈よりも
堆い場所から
嘲笑うように見下ろし
運命という言葉で
憂鬱を引き寄せて
シックな雰囲気は拡大
止まらない振り子時計
卵の殻を割るように
無意識を起こそう
振り子のように
手を右から左へ
幽愁暗恨に突き動かされて
藁にもすがる思いで手を伸ばし
今日も七転八倒を重ねてく
止まらない振り子時計の下で
【秘色】
脱色された声色
僕ら何が言いたいんだろう
募る切なさだけが本物
後は偽物
文字化けした大切な記憶
美しい鬱は今日も僕らの秘色
好色を知らぬまま虚実を尽くす
雑草掴む手は年季を増して
七草代わりの現代詩を片手に
美しい鬱は今日も僕らの秘色
脱色された声色
僕ら何が言いたいんだろう
廃る条理 脆い常識
文字化けした大切な記憶
美しい鬱は今日も僕らの秘色
最後まで読んでくれてありがとうございました。
水宮 青