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【詩のようなもの】 砂と輪郭

未来を描いてみても虚ろな空白
望んでいたものはここにない
足元が不確かで進む先が霞む中
浅い呼吸が景色をぼやかしたまま
自分を作ろうとしても砂粒の如く
すぐに指の間からこぼれている

過去の経験を書くと少し色が見える
望んでいたものは今も遠いままなのに
足元に今日までの自分がいる
深呼吸すれば少しずつ緩やかに現れ
自分を作る手が輪郭を成していく

こぼれる砂も時を重ねて固まるように
砂も輪郭もどちらも僕
崩れる日もあるし形を作る日もある
未来はその連続に過ぎず
今を生きることで少しずつ固まっていく