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てぃくる 234 姫
姫はね、二人は要らないの。一人でいいの。わらわより美しい子がそうそういるわけないでしょ。
姫はね、愛されるべきなの。誰もがそうすべきなの。だからわらわにもそうして。当然でしょ?
姫はね、大事にされるのよ。わらわは何もしなくていいの。こうやってにっこり微笑んでるだけでいいの。
姫はね、お輿入れするの。非の打ち所がない殿のところにね。そこでもちやほやされるのよ。あはははは。
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「ああ、姉ちゃん」
なによ、その下世話な呼び方!
「あんた、ごっつ勘違いしとるで」
はあ!?
「姫いうんはな。ちびすけって意味や。分かったか。このどちびが」
☆ ☆
ということで、ヒメシャラです。しゃら(夏椿)よりもひと回り花が小さく、もっとお地味ですね。でも、初夏の日差しを照り返さずにひっそりと咲きこぼれる姿には、やはり姫の呼称がよく似合います。
(2016-07-04)