てぃくる 869 置き土産
「何か欲しいて言ったの?」
「ううん、なにも欲しくなかったし」
「でも置いていったんだ」
「置き土産ってことなんだろね」
「どうするの?」
「さあ。こんなもの置いていかれても困る」
「捨てるの?」
「捨てられるものはね」
「捨てられないものなんかあるの?」
「だから置き土産なんでしょ。はあ……」
◇ ◇ ◇
まあ、確かに置き土産ってのは欲しいかどうかに関係ないですね。人の心をゴミ箱扱いするのは勘弁してほしいですが、デリカシーがないから土産を置きっぱなしにするわけで。
ああ、画像の置き土産の贈り主は風や鳥です。置かれた土産物の種子たちにとって贈り主の存在はものすごく重要ですが、それを置かれた切り株は、こんなもん置かれてもなあと困惑しているでしょう。
ちなみに三種類の種子が乗っていますが、おわかりでしょうか。シラキ(真ん中のころころ)、ヤマモミジ(羽付き)、テイカカズラ(下のもけもけ)です。
いずれも土の上に落ちれば芽を出せるチャンスがありますが、こんなステージの上に置いていかれてもねえ……。
無形の置き土産は
最善か最悪か
どちらかのことが多い
(2022-01-09)
Souvenir by Julien Baker
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