![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76606440/rectangle_large_type_2_1e7f9fc48fa2856c08e5303e222672ce.jpeg?width=1200)
てぃくる 75 何かついてる
「おい、冴えない顔だな。どうした?」
「ああ、どうもこのところ右肩が重くてなー」
「四十肩か?」
「いや、関節が動かんとか痛いとかじゃなくて、ただ重いんだよ」
「病院には行ったのか?」
「痛いとか、動かんとかじゃないからどうも足が向かなくてなあ……」
「どれ、見せてみろ。万歳せ」
「ああ」
ひょい。
![](https://assets.st-note.com/img/1650160794168-97bcVgcAJG.jpg)
「……。おまえ、力いっぱい憑かれとるわ」
「は? 何に?」
「吸血鬼」
☆ ☆
ヤハズエンドウにびっしりたかっているのはアブラムシですね。農作物に付けば蛇蝎の如く嫌われるアブラムシですが、雑草に付いていても誰も何も言いません。
ヤハズエンドウは一年草ですから、今のうちにしっかりちゅーちゅーしておかないと、ご飯がなくなってしまうわけで。吸血鬼も必死です。
ちなみにヤハズエンドウに食いついているのは一種類じゃなく、二種類のようですね。緑色のがソラマメヒゲナガアブラムシ、上の黒いのはマメアブラムシでしょうか。
何にでも取り憑くイメージのあるアブラムシですが、ご飯にする相手はちゃんと決まっています。吸血鬼にも、それぞれ好みの相手がいると言うことなのでしょう。
でも。ヤハズエンドウが黒い種をいっぱいばら撒いて姿を消した後。吸血鬼たちはどこへ行くんでしょうね……。
昼なのになぜか起きてる吸血鬼
日射しを浴びて飲むレモネード
(2014-04-26)
事故で夭逝してしまったサンディ・デニーの名作ですね。
わたしが無人島へ持って行くとしたら、の十枚のうちの一つです。