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てぃくる 1087 夕暮れに

夕日を浴びて
残り少ないカンレンボクの実が
赤く浮かび上がる



ほとんどの同胞は
風で砕けて四方よもに散った
春まで眠りにつくのだろう

残った私たちは眠れない
どれほど風に背を押されても
頑なに居残っている

これから何が起こるのかを
どうしても確かめたいからだ

ひとたび地に落ちてしまえば
あとは夢を見ることしかできなくなるのだ

だから氷雪に撃ち落とされるまでは
ここに留まることにする
夕日を浴びて赤く染まることにする

その赤が
私たちを暖めることはないと
知っているけれど



枯野には地を叩く鳥ばかりゐる

(2024-01-19)

Winter Trees Stand Sleeping by Dawda Jobarteh


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