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てぃくる 452 わたしはわたし

 わたしは、本当にこれでいいのだろうかと思うことがある。
 未熟で、青臭くて、どこにでものさばって、生意気だと嫌がられて。

 でも、わたしはわたしだ。
 それ以外のものにはなれない。
 未熟で、青臭くて、どこにでものさばって、生意気だと嫌がられる。
 それがわたしだ。

 もし、わたしが黄金色に熟し、青みと臭さが消えて。
 のさばる勢いが落ちて、萎れて見えるようになれば。
 わたしはわたしでなくなるのだろうか。
 そして、嫌がられなくなるのだろうか。

 わからないけれど。
 きっとその姿も、わたしなんだろう。

 大地も、人も、営みも、風景も、ずっと同じということはない。
 急にかゆっくりかの違いはあっても。
 劇的にか静かにかの違いはあっても。
 確かに変わっていく。

 そしてわたしも。
 変わる前も後も、確かにわたしなの。

(ヘクソカズラの未熟果)


 
台風21号の被害も癒えぬうちに、北海道で大きな地震が発生しました。罹災された方々におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧と日常回復をお祈りいたします。

 わたしの住まいも台風の直撃を食らいましたが、幸い微害で収まりました。しかし、まさか安否を気遣う札幌の妹からの電話の直後に、わたしから妹に安否確認するはめになるとは思ってもいませんでした。
 妹からの話だと、水と電気は復旧したもののまだ今後の見通しが不安定で、食料品や日常品の確保も含めしばらく不自由を我慢しなければならないようです。

 自然災害だけは、我々がどうにかできるものではありません。それでも。何があっても、何が変わっても、わたしはわたしです。自分を見失わない限り、自分を捨て去らない限り、自分を諦めない限り、なんとかなる。そう信じて、再び有事に備えることにします。


うとましやなまずを起こし野分のわけ過ぐ

(2018-09-08)

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