てぃくる　１０７９　勝利のＶサイン

「おまえ、勝ってもいないのにブイサインなんかすんなよ」
「えー？　この中で俺だけ芽を出せるんだぜ。おまえらはみんな腐って俺の肥やしになるやんか」

「けたくそ悪いやっちゃ。おまえなんか、どっか行ってまえ！」
「やなこった」

　まあまあ。そんなに怒らなくてもいいじゃないですか。

　ニワウルシの種子は薄くて軽いので、強い風が吹けばどっかに飛んでいくでしょう。もっともここに残っていたところで、地面に到達できなければそのまま何かの肥やしになるだけです。運命は、周りの落ち葉たちと何も変わりません。
　ただ一旦芽吹くとものすごい勢いで大きくなるので、さっさと抜いてしまわないとね。

　ぷちっ……とな。

　風任せの人生が楽しいという君は
　　運命で軽やかに遊んでいる

（2023-12-16）

10,000 Miles　by Mary Chapin Carpenter