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てぃくる 922 カムフラージュ
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「見つかっていないだろうな」
「見つかっていません。カムフラージュは完璧です」
「うむ。では、そろそろ作戦を実施しよう」
「あの、隊長」
「なんだ」
「カムフラージュがあまりに完璧すぎて、敵味方の区別がつきません」
「それ以前に、背景との区別がつかんな」
「てか、俺たち本当に存在しているんだろうか」
◇ ◇ ◇
イヌシデの葉に隠れるようにして果穂がいっぱいぶらさがっています。種子が未熟なうちに目立つメリットなんか何もありませんから、カムフラージュは理にかなっています。
もっとも、未熟なうちは果実や種子が葉と同じ色という植物なんか山のようにあるわけで。彼らのカムフラージュの腕前が特別いいわけでもなさそうです。というのも、かなりの割合で穿孔性の虫に種子の中身を食われているんですよ。葉っぱにカムフラージュしたくらいじゃ、虫の攻撃を防げないということなのでしょう。
緑塊の一盛り増して梅雨明ける
(2022-06-29)