balance
形が悪かったり、歪だったり、不安定な場所の上にモノは置けない。何かモノを積む、重ねる、載せるという時に、土台がしっかりしているということはかかせない条件で、家を建てるときもまずは地盤調査をし、下地となる基礎部分に鉄筋を組み立てて、型枠を設置し、コンクリートを打設していく。この基礎工事が疎かであると、当然上物の建物が何十年も持つわけはなく、どっしりとした構えで戸建てやビルが変わらず存在しているのは、何よりも土台がしっかりしているからだ。普段歩いている地面も安定しているから軽快に歩けるわけで、まさかそんな大地が崩壊しようだとは夢想だにしない。「杞憂」の例え通りに、そんな事誰も考えもせず暮らしているはずだ。しかしたまに、もしかしたらいつか地が割れ、天が裂け、今までの暮らしや常識が一変する天変地異が起こるのではないかと考えることがある。それは、起こってほしくないけれど、今まで「当たり前」と思っていた常識を打ち砕くには最大級の効果がある。ディザスタームービーというジャンルもあるし、ひそかにみんなそのような想像をしているのかもしれない。このようにとりとめもなく冗長でオチのない妄想は、なかなか寝付けないバランスの悪いベッドの上で考えられている。