![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111869190/rectangle_large_type_2_77cb763e444bb78de38d40110aac11e9.png?width=1200)
Photo by
ピーテル・パウル・ルーベンス / メトロポリタン美術館
摘花如歌無選集《はなつまみてうたうごとくたれながし》6
六、
かく年経るあいなかも幾度かこの島々をわたり歩き、その先々にていくつか胸ふたがるる景色に至れることこれあり。
何考えるともなくしばし当て淡く行きつれば、何得るとなく疲弊して帰り着くもいかでか愚かなるにやあらむ。
2019/03/28 21:29
日本海に来てみたけれど
我が定め
無論反転されるでもなく
西の海に日の落ちて春の宵未だ寒し。
絶対的無力を嘆ず。
2019/04/02 22:12
陽のなくば極低温の暗黒のつちくれでしか我もあらざり
2019/04/03 22:02
明日香路や
寒の戻りに身をこごめ
花降り積もる野辺に逝きたし
震災の翌々年の春、みちのくのいと白き霊場にて見つる彫塑かと見へし黙祷の母の姿に心ざわめきたるを俄然想起せり。
2019/04/05 20:29
流されし子の衣満つ地蔵堂に
黙する母の影動かざり
2019/04/05 22:28
信じあう心
まごころ
人と人
通じる
きっと
明日
明日こそは
2019/04/10 16:44
どうでも良い
だから流行りを着るだけと三島の如く
金さえあれば
嗚呼金よ金よ、その風向ついに我を顧みざり。
されど、海は優し。春もまた優し。
2019/04/11 13:00
春の夢
あちらに行けば潮の音
こちらに来ればさくら舞う音
2019/04/14 18:37
マルチワの
丸い瞳に映り込む
おろかな人よ
真のわたしよ
旅は疲れる。
2019/04/17 00:49
幾度目の棲家と数う気も失せて夜の布団にただ溶けてゆく