父の命日

昨日は父の命日
夫と長女とオリンピック野球決勝観ながら
みっきもソフトボール部でキャッチャーやってたんだよ！とキャッチャー甲斐さんを見ながら長女に話す平和な命日

以下、2年前の投稿

昨年のブログを、川治温泉より
↓
父の13回忌

弔い上げ

もう法事はお終い

御墓参りを終えた時

雨が降り出した

結婚式
夫はかなりの晴れ男なのに
雨だった
出席できなかった父の
嬉し泣きか
姉の結婚式でも
こっそり涙を流していた

小学生の頃二人で浦和の映画館で
「 レナードの朝 」を観ていた時
父はいきなり席を立ち
しばらくしてから
プルトップを開けた缶ジュースを持ってきてくれた
確かHi-Cの黒い缶のリンゴジュース
今思えば
父はロビーで泣いていたに違いない

中学生の時
初めて映画デートしたのは
そこの映画館だった

父はテレビを観ていても
泣ける話ではだいたいいつも
声を出さずに涙を流した

家で一緒に「 セブン 」を観た時には
俺も絶対に復讐する
妻子を殺されたら絶対許せない殺す
と言っていた

数年前、寺尾聰主演の「さまよう刃」を観た時
父が言っていた事を思い出した

両親が復縁して間もなかった頃だろうか
家族で銀座へ行き
「 ニューシネマパラダイス 」を観た
銀座の喫茶店のコーヒーは高いんだなーと思った
大人になってから買ったサントラを未だに年に一度くらい聴く
その度に
最後のシーン
大人になった主人公が
戦時中カットされたキスシーンばかりが繋ぎ合わされたフィルムを観て泣くシーン
そのシーンを思い出しては泣きそうになる

もっと前6～7歳の頃
離婚中に姉と3人で
「 アリオン 」という古代ギリシャ神話を基にしたアニメ映画を観た
有楽町マリオンで観たものだから
父は
アリオンでマリオンを観た？
マリオンでアリオンを観た？
などと言っていて
私はいつまでも
どちらがアリオンなのかマリオンなのかはっきりしなくなってしまった
今も、あれ？どっちだっけ？と分からなくなり調べた
そしてきっとまた忘れる
どちらだったか迷わされる幸福のために

そんな父
亡くなる数日前に自宅で
痛み止めの副作用だったのだろう
幻覚を見ておかしな事を言う様になっていた中
ふと正気に戻り
私の手を握り

もう十分やってもらったから
もういいから
どうもありがとうな

と言った

それまで泣かなかった私は
父の前で泣いてしまった

よく覚えていないけれど
きっと
うなずく事しかできなかった

その時父は
泣いていなかった

しっかりした目で
私を見つめていた

亡くなる少し前には二人病室で
たまに意識が戻る度に呼吸器や点滴を外そうと必死になる父をなだめるというより、押さえつけるのが、心苦しかった
もう勘弁してくれもうやめてくれ
そう言いたいだろうに声も出せずにかわいそうで切なかった
早く
楽になって貰いたかった

最期は
姉と私とで手を握り看取ったので
父は幸せだったと思う

母は父が息を引き取って少ししてからハーゲンダッツのバニラを持ってやって来た
溶けちゃう溶けちゃう早く食べましょ
と姉と3人でどこかで食べた
廊下かランチルームか思い出せないが食べた
母は死際なんて怖くて見たくないと言う
母って面白い人だなぁとちょっと可笑しくなりながら食べた

女は
強い

お葬式では、まだ幼かった姪達が泣き泣き手紙を読む姿に貰い泣きしそうになりながらも泣かなかった
我ながらずいぶん普段と変わりなく過ごした様に思う

あれから12年
父を想い泣いたのは
数える程しかない

はじめてポロポロ泣いたのは
父が亡くなっただいぶ後
父がトラックを停めていた駐車場の側を通った時
ああ、あそこには、もう父のトラックがないんだ
そう思ったら
涙が止まらなかった

毎週末トラックの助手席に座りあちこち行った幼少期の思い出
私の一生を支えてくれる
父との思い出

おかげで今日も
私は楽しく生きています
きっとこれからも
私は楽しく生きていきます

バイバイ

お父さん

どうもありがとう

いつまでも