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夢野久作『ドグラ・マグラ』読了

ドグラ・マグラとは、「維新前後までは切支丹判天連の幻魔術のことを言った長崎の方言」だと書いてある。もちろん著者の造語であろう。しかしその言葉には、どことなくこの世のもの、現世界のものとかけ離れた世界を想像させるから不思議だ。

「これを読む者は、一度は精神に異常をきたすと伝えられる、一大奇書」と言われているが、映画化されたときに正木博士を演じた桂枝雀が、その後自殺したことも話題になった。

そんなわけで精神不安定系な私は、読みたいにもかかわらず今まで読めずにいた。今回読了して狂人にはならなかったが、ドグラ・マグラ教の信者になりかけた。(これが一時的精神異常なのか?)それほど『脳髄論』は説得力があった。

すべてを理解するのは無理(本当に狂人になってしまう)だとしても、これだけのものを書き切った著者の能力は、常人よりは狂人に近いとしか思えない。

※下巻の角川文庫のマークの位置がすごい。


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