見出し画像

フェルディナント・フォン・シーラッハ『コリーニ事件』読了

今年最後の本はこちら。

動機なき殺人事件に戦争の闇が重なり出す。戦争犯罪人は上司の命令で銃の引き金を引くだけだ。相手に死を与えるだけでなく、自分自身の深い傷ともなる。そして、その罪は同じ行為であっても、戦争に勝ったか負けたかで正反対の結果になる。

戦争の被害者であり、ある意味で加害者でもあるコリーニにとっての人生はいったい何だったのだろうか。それを考えると、戦争の愚かさが身にしみてわかる。

人間は駒である。知らない誰かに自分の行動を支配される危険がある。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集