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ビル・S・バリンジャー『煙で描いた肖像画』読了

「サスペンスの魔術師」の名作が創元推理文庫で復活した。私にとって『歯と爪』に次ぐ2作目。

昔、一度だけ目にした女性の写真を偶然見つけ、探し始める主人公の執念と、貧乏から抜け出すために必死にもがくその女性の執念が重なり合ったときに事件が起こる。二人の立場が一章ごとに交互に語られていく。結末は読めてしまったが、そこまで持っていく手法は「サスペンスの魔術師」の名に恥じない、いや、その名にふさわしいというしかない。

この緊張感をぜひ皆様にも味わってもらいたい。

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