パール・バック『大地(三)』読了
「親の心子知らず」というが、その逆の「子の心親不知」というのも正しい。親の心にも子の心にもどうしてもエゴが入り込む。王虎と王淵の関係もお互いに理解しあえないままに終わってしまうのだろうか。もう一つ、ドストエフスキーの小説でもそうだが、革命は貧乏に苦しんでいる人々が行うのではなく、この物語でも金持ちの若者たちが正義感を持って企む。しかし、歴史は革命に成功した側が、仲間になったはずの貧乏人から結局は搾取して成り立っている。王淵のように土に親しみ、農業を愛するものが立ち上がればうまくいくのかと考えてみたが、歴史はまだその答を出していない。人間は本能にない欲望を持ってからおかしくなった。
この後のストーリーが気になって仕方ない。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?