私は町を歩いていた。町はサラリーマンや主婦、子供連れの家族で賑わっていた。いつもの日常がそこにはあった。
突然、空から手が伸びてきて、ある男を指差した。
指差された男だけでなく、まわりの人たちも気づいていないようだった。
私はその男に「指差されていますよ」と教えてあげようかと思った。しかし、それは何かしてはいけないことのような気がした。私はそのまま帰路に着いた。
夕方のニュースで、昼間私が歩いた町での交通事故を報じていた。男性1名が死亡したという。あの男だ、私は直感した。
私は見てはいけないもの、そう、神様の選択を見てしまったのだ。