佐藤誠一郎『あなたの小説にはたくらみがない』読了

新潮社の編集者が書いた創作講座。

いろいろな小説家が小説の指南書を書いており、私も何冊か読んでいるが、作家の視点は編集者の視点より狭い、あるいは技術に走りすぎている感があった。どの本でもその通り書ければ有名作家になれるというわけではない。それぞれから自分にあった小説の書き方を見つけ出して活かせればいいのではないか。

この本で勉強になったのは、細かくキャラクター設定をしたからと言って、最初から最後までその設定に引きずられなくてもいいということ。登場人物だって小説の中で進化、退化していくものだし、逆に変化がなければ何のために小説を書いたのかわからない。

この本を読んで、今企画している本格長編ミステリーのアイデアがだいぶ固まってきた。