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ミック・ジャクソン『10の奇妙な話』読了
妖しくて、ブラックで、少し暖かくて、静かな物語。
『ビアーズ姉妹』・・・醜は悪。美醜を決める人間も悪。
『眠れる少年』・・・眠った時間が少年の肩にのしかかる。
『地下をゆく舟』・・・人は孤独の舟に乗り、人生を漕いでゆく。
『蝶の修理屋』・・・少年のファンタジー。蝶の復讐劇。少年は蝶の行く先と目的を知っている。
『隠者求む』・・・金持ちは飽きやすい。隠者は執念深い。
『宇宙人にさらわれた』・・・子供の嘘が現実になる。いや、もともと現実なのだ。大人は子供の夢を叶えるために存在する。
『骨集めの娘』・・・「まったく、ぼろぼろの古骨め」。古骨を愛でる娘。祖父は近くにいる。
『もはや跡形もなく』・・・少年は森に生きる。父に捨てられ、母を捨てて。犬だけを連れ合いにして。
『川を渡る』・・・人は他人が必死になっているのを見ると笑ってしまう。ご無事で何よりです。
『ボタン泥棒』・・・性格の悪い老馬とセルマの戦い。