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道尾秀介『向日葵の咲かない夏』読了

狂気と狂気が混ざり合い、更なる狂気を呼ぶ。そして結末にトドメを刺すような狂気が待っている作品。

人は自分を守るために自分だけの物語を作り上げる。その物語がいかに常識から離れていようと、そんなのは関係ない。他人など無関係だし、自分だけが信じられれば、それだけで物語は成立し、自分は守られる。私も小さい頃から自分の物語を作ってきた。それは他人が知ったらただの笑い話になるだろう。あるいは狂気の世界と思うか。それは今の私の作品にも多分色濃く出ているに違いない。

この本が8億円も売れているということは、それだけ今の時代が狂気の世界に包まれているからではないだろうか。

<ネタバレあり>
ひとつだけ納得がいかないのは、犬猫を殺す人は自殺なんてしないだろうということ。


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