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名画『モナ・リザ』に“神の子羊”と“天使の翼”を見た経緯と考察 #19

#19 おとぎ話(その3)-ポール・マッカートニー氏について-
 実は、天使の翼を見たとき、なぜか私の頭の中に、当時見ていた映画『yesterday』で流れていたザ・ビートルズの名曲“ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード(The Long and Winding Road)”が一瞬だけよぎっていたのです(図85参照)。

 そう、二人目の人物というのは、ミュージシャンのポール・マッカートニー氏(James Paul McCartney)です。20世紀を代表する音楽グループ「ビートルズ」の元メンバーであって、人類史上確実にその名を残すであろう偉大な音楽家である彼もまた、神様に選ばれた人物の一人です。ミュージシャンとしての才能や力量はもちろんのこと、その人柄が、神様を魅了していたのだと思います。
 
 神様は、ポール・マッカートニー氏が作った「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」(The Long and Winding Road)に自分のメッセージを潜ませたようです。
 
 この曲は、ビートルズ13作目のアルバム『レット・イット・ビー』(Let It Be)のB面7曲目に収録されています。1970年5月8日にリリースされたこのアルバムは、全英アルバムチャートやBillboard 200をはじめとした多くのアルバムチャートで第1位を獲得しました。
 
 「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」(The Long and Winding Road)は、アルバム『レット・イット・ビー』(Let It Be)からシングル・カットされており、Billboard Hot 100で20作目かつビートルズとしては最後となる第1位を獲得しました。この曲はその後、多数のアーティスト、例えばレイ・チャールズなど、によってカバーされています。
 
 この曲について、ポール・マッカートニー氏は「哀愁のある曲。僕はこういう曲が好きだ。消えてしまいそうな儚い想いを詰め込んでおくためにはいい器…ともいうべきか。精神科医のお世話になることもない。曲を書くことには即効性があるし、ただの“歌”だからそれで困らされることもない。いや、あるのかな?君を悩ませているものをテーブルの上に並べてそれを眺めてみるんだ。“歌”だから、誰かと言い合いになることもない。自分にはどうしても手の届かないものについて歌った曲だ。決して辿りつけない扉、そして延々と続く道についてのね」と語っています(ウィキペディア「ポール・マッカートニー」参照)。
 
 「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」、曲名にもなっているこの言葉こそが、イエス・キリストを意味するものとして神様が潜ませたメッセージなのです。そう、この「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」は、『モナ・リザ』に描かれている“曲がりくねった道”のことを指しているのです(図86参照)。

 上記において、『モナ・リザ』の“曲がりくねった道”は、“鏡文字”で『サルバトール・ムンディ(Salvator Mundi)』のイニシャル『S』を示していると紹介しました。サルバトール・ムンディ、即ちイエス・キリストです。
 
 ここで、ヨハネによる福音書14章6節には、「わたしは道であり、真理であり、命である。だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない」というイエスの言葉が記載されています。イエスは、神に近づくための「道」となり、真理を語って真理に従って生きたとされています。
 
 つまり「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」の歌詞における“The long and winding road”を“イエス・キリスト”に、“your door”を“父(主)のみもと”と置き替えると、この曲と聖書との親和性が非常に高いものとなります。神様は、そのように置き替えてこの歌を解釈することによって、『モナ・リザ』にイエス・キリストが描かれていることを、我々に伝えようとしているのかもしれません。
 
 ポール・マッカートニーさんはビートルズが解散した後、妻のリンダ・マッカートニーさんらと共に、“ウイングス(Wings)”という新しいバンドを1971年に結成します。ウイングスというバンド名は、当時リンダさんの出産を待つ間にマッカートニーさんが思いついた「天使の翼」という言葉に由来するものだそうです。
 
 ウイングス、天使の翼を意味するこのバンド名は、即ち、作中に登場した「ミカエルの翼」を示すものだと思います。『モナ・リザ』に描かれている“曲がりくねった道”は、このミカエルの翼の付け根の部分に相当します。
 
 「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」を創作し、さらに「ウイングス」を結成した。これらの事実を知ったとき、私は、ポール・マッカートニー氏もまた私と同じようにあの翼を見ていたのだと思いました。しかし、これまで彼がそのようなことを発言したことはありませんし、秘密にしておく理由もないと思うので、やはり、彼は見てはいないのかもしれません。ただ、個人的にはポール・マッカートニー氏に見ていて欲しいと思っています。だって、その方がずっとロマンティックですし、なにより、彼がもしそう言ったのなら、きっとほとんどの人が信じることでしょう。そうなれば、『モナ・リザ』に関する研究がいっそう進んで、あの翼が見事に再現されて、今頃は誰もが知る事実になっていたかもしれません。
 
 話を少し戻して、ビートルズのアルバム『レット・イット・ビー』について、神様はどうやら、このアルバムのレコードジャケットにも、『モナ・リザ』にイエス・キリストが描かれていることを示すヒントを潜ませていたかもしれません。
 
 それは、作中に登場した、『モナ・リザ』の左腕上腕部分に描かれたイエス・キリストに関することです。ここでのイエス・キリストは、その顔の右半分だけが描かれています。ここで、『レット・イット・ビー』のレコードジャケットにおけるポール・マッカートニー氏の部分を見てみると、その顔の右半分が影になっていて、まさに『モナ・リザ』の左腕上腕部分に描かれたイエス・キリストの顔とよく似ている感じになっているのです。神様は、『レット・イット・ビー』のレコードジャケットをも通じて、『モナ・リザ』にイエス・キリストが描かれていることを、我々に伝えようとしたのかもしれません(図87及び図88参照)。

 ちなみに、最近、東京と大阪で開催されたポール・マッカートニー写真展「Paul McCartney Photographs 1963-1964 Eyes of Storm」のパンプレットの表紙を飾るポール・マッカートニー氏の顔写真も、その右半分が影になっています(図88-2参照)。

 さらにその写真展において、私はとても興味深い写真を見つけました。その写真とはポール・マッカートニー氏の弟であるマイク氏が撮影した写真で、そこにはポール・マッカートニー氏(左側)とジョン・レノン氏(右側)が写っています。その写真のポール・マッカートニー氏の左手に注目して下さい。ギターを弾く動きのために写真がブレていますが、その手はまるで「翼」の一部のように見えます(図88-3参照)。

 先ほど私は、ポール・マッカートニー氏もまた私と同じように天使の翼を見ていたかもしれないと言いました。しかし、この写真をみると、天使の翼を見ていたどころか、当時のポール・マッカートニー氏の左腕には、『モナ・リザ』の左腕と同じように、天使の翼が宿っていたのかもしれません。
 
 その写真展では、ビートルズが渡米した際にインタビューを受けたときのビデオ映像も流れていました。記者団に囲まれたメンバーたちは記者の一人からある質問を受けました。
「貴方たちはどうして世界中でこんなに人気があるのですか?」
 その質問に対してリンゴ・スター氏(もしかすると、ジョージ・ハリスン氏だったかもしれません)が答えました。
「僕たちにも分からないんだ。もし分かっていれば、僕はバンドをつくってマネージャーをやると」と言って、記者たちを笑わせていました。
 
 言うまでもなく、ビートルズのメンバー全員が、優れた才能と実力をもつ一流のミュージシャンであることは周知の事実です。しかしそのような優れた才能を単に寄せ集めただけで世界中を熱狂させる音楽を創れるとは限りません。つまり、才能だけではなく、特別な何かがあったのかしれません。
 
 記者の一人から投げかけられた先ほどの質問に対して、今の私ならこう答えざるを得ません。
「それはね、神様に選ばれし者、ポール・マッカートニー氏がいたからだよ」と。

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