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20240717たましいのそくど

 魂には速度があるのだと、遠くへ出かけた日に思う。走るとか自転車だとか、それくらいまでは大丈夫なのだけれど、それを超えた速さでの移動には多分、魂は着いていけないのだ。

 見慣れぬ景色や植生、空気の湿り気や匂い。訪れた先で感じた「よその土地」の感覚が、帰宅後もまだあたりに漂っている気がして、肉体は帰ってきたのに魂はまだ向こう側から帰ってこれないのだと、ぼんやりと魂が戻ってくるのを待つ。

 帰っておいで、ここへ。また遠くへ出かけるために。

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