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大場ななってなに? 『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』ミリしら感想

『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』がライブ音響上映で体験出来るとのことで、ミリしらで鑑賞してきました。
大場ななさんと露崎まひるさんのことが第一印象で気になった人間を、奥歯ガタガタいわせながら感情でヘッドロックしてくる作品だったのでその備忘録です。

大場ななってどんな人ですか????えっちすぎない??有限の命を燃やして舞台に執着してて、同胞にも残酷に自分と同じ熱量を求めるからこそ(?)闘いの幕を切って落とす姿が、あまりにも非情でエロすぎて興奮しちゃった。
この場合のエロは露出とか曲線美云々じゃなくて、めちゃくちゃ生きてる感が強いキャラクターというダイナミクス的な引力の強さをエロいと言っています。健康な肉体が精神的にはぐちゃぐちゃで生命力が強い状態=エロです。よろしくお願いいたします。

大場ななさん、主人公の華恋ちゃんとかなり似た天使っぽいシルエットの髪型なのに落ち着いた声で理知的に喋る人で、だからこそ舞台の作り方を学びたい人なんだって冒頭の進路調査だけでわかる。というか、進路調査って!自己紹介のさせ方が上手でこれだけで拍手でした。
私は彼女達の過去を何も知らないけど、未来への姿勢を見せてくれるだけでそれまでの積み重ねに思いを馳せられるんだよ。メインキャラの華恋ちゃんとひかりちゃんは過去を重点的に描かれてるからこそ、自己紹介の対比がお洒落。

このギャップだけで好きになったのに、皆の感情のぶつかり合いを「みんな喋りすぎ」の独り言でぶった斬るシーンで更に引き込まれた。
快活で利口に見えるように振る舞える聡明さを持った人だってわかる自己紹介の後、この一言のドライさが明らかに浮いてるんだよ。
「自分には舞台人としての才能が無いのでは?自分は本当に希望の劇団に所属出来るの?」の不安が爆発したウィットに満ちてる空間の感想がこれなの、おもしれー女すぎるでしょ。

この人が、言葉を大事にしてるだろう星見さんに星の漢字を降り注がれて最終的に敗者となるのも、構図が美しすぎて……どうすればいいの。
星って凄い漢字ですよね。「太陽の下に生まれたもの」って書くんだよ。
そして星見さんは星を見る名前の人だから、星(恐らく同胞でもある歌劇少女達の比喩)の輝きや美しさへの解像度が大場さんより高かったんじゃないかなーと思いました。生徒会長だったらしいのも、周りをよく見てるだろう役職だし。

最初の戦闘シーンで一度裏切った?(奇襲を仕掛けた?それともコロシアムを作ったような立場なのかな)ように見えて、「何だか強いお酒を飲んだみたい」の台詞にタブー(現実世界に引き戻すような発言)を持ち込んだ星見さんの首を掻き切った大場さんよ。怖すぎ。戦闘狂かよ。
戦闘音が重いプリキュアみたいだな〜って思ってたのに、思った以上にダックダクに血出て笑った。そもそも最初にトマトが破裂するシーンから始まる時点で、だいぶダークだとは思ってたんですが平然と血を流させるとは思わなかったよね……

あのトマトって禁断の果実的な役目を果たしてるんですかね?それとも、落としただけで簡単に潰れて赤を散らすくらい、柔らかくて傷つきやすい少女性の象徴?どっちにせよ大分毒々しい使い方してて凶悪ですわ。

エンドロールにて、大場なながひかりちゃんに「ちゃんと、みんなと逢って話せたんだね」みたいなことを伝えてたみたいで、ああこの人は会うことを逢うの字で伝える人なんだなって思いました。
とにかく逢うの字が頭にこびりついちゃって。
本当に言葉に拘る人なんだなって、最後に答え合わせできたようで星見さんとの対決の味わいの最後の仕上げがここでされた気がした。
大場さん、うたプリの聖川真斗さんってご存知ですか。この方もヒロインとの運命の出会いを頑なに「逢う」の字で話す人なので、仲良くなれると思います。

以下メイン2人についてです。
カスタネットが赤と青の楽器で良かったね!!!
東京タワーが青空に向かってそびえ立ってる図は、華恋ちゃんがひかりちゃんに向かって真っ直ぐ手を伸ばし続ける姿の象徴じゃないですか。
出会ったばかりの2人の服の色相は赤と黄色の華恋ちゃん、ひかりちゃん青系でてんでバラバラなんだけど、カスタネット合奏以降似た色が増えてお揃い?の水色の服も着るようになるのエモすぎるでしょ。

数年後、舞台の主演を務めるようになった華恋ちゃんの服にもきちんと青色は混ざったままで、この子は"神楽ひかり"と舞台の上で出会う為の努力をし続けてるんだって証拠そのもので。
舞台のタイトルも『青空を越えて』だったかで、これ以上無いくらい2人の夢そのものだ……愛城華恋さんって一つ一つの漢字のパワーがクソデカネームだなと思うんだけど、その分ひかりちゃん目掛けてドーン!って感じがピッタリ。
特定の1人と立つ舞台への撞着を、「恋愛」が名前に入ってる人が抱いてるの凄えよ。この運命の舞台で描かれる感情そのものに、恋愛って名前を付けたくもなってしまう。

そしてあまり直接は描写されないメインキャラ2人の関係を暗喩してるのが、香子さんと双葉さんの歌劇だと思うんですけどどうですか。
大場さんの復讐劇チックな曲からこの2人の幕だったんだけど、最後なんてえっち過ぎて直視出来なかった。やばいやばいやばい確かこの映画年齢制限かかってないよエロすぎんだろ大丈夫!?って薄目で見てました。
白背景に押し倒されてるように見える女の子をそれぞれバストアップで映すの、たいへんけしからんと思うんです。えっっっろ……

大場ななは単体の精神性というか高潔さがエロいんだけど、このお2人は互いが近くにいるからこそエロいんだよ。大場さんより、熱があって人間の香りがする肉体をもってこそのエロティシズム。
この2人、幼馴染だったりします?なんか昔からそうだよねみたいな掛け合いがあって、時間の積み重ねの匂わせされてキャッキャしてました。(名前確認の為に公式サイト見たら、マジで幼馴染で悲鳴あげながら膝叩いた。)
過去を直接見せてくるメイン2人と似た配色に反して、2人だけの世界で話さないでほしい。良い意味で全く初見に優しくなくて、世界にただ2人の話を盗み聞きしてるだけなの、幼馴染フェチにはたまんねえよ。私を壁にしてくれ。


はい、ここで露崎まひるさん最恐歌劇ですね。可愛くて穏やかで泥中に沈めても絶対白いままの強さがあるな~って見惚れてたのに、曲の中盤からこちらの口に手突っ込まれた気分になって最高でした。
大場さんで散々同じフレーズの繰り返しは怖いって焼き付けておいて、「あなたのことが、ほんっっっっっっっと大嫌いだよ♡」って可愛いまま圧かけてくるの、背筋が凍る気持ちだよ。6回目あたりで耐え切れずに耳に手を当ててしまった。
ひかりちゃんサイドは本編であまり語られないからこそ、露崎さんのとんでも質量の怨念をぶつけることで過去を匂わせてくるの、本当に構成が巧みだ……怖い!かわいい!!強い!!!好き!!!!

普通ひらがなの名前って平素から目にする文字だからこそのやわらかさやシンプルな強さがあると思うんだけど、大場さんも露崎さんもびっくりパニックホラーやっててめちゃくちゃ引力あるキャラクター性が最高だった。
私の中で、ひかりちゃんは影山飛雄とかなり近しいところにいるんだよな。レヴュースタァライトってタイトル掲げてるだけあって、ライトの名前は相当つよつよだとは思ってます。

そして経緯は不明ですが、ミリしらでも唯一知ってる名前が天堂 真矢さんでした。あなたがあのお噂に聞く!?プロフィールを見るにサラブレッドらしくて、ハイキューの宇内天満とか星海光来みたいな名前してるの納得だなって思いました。あの作中で小さな巨人組はマジでとんでもねえ輝きの名前してるから。
西條さんと2人で声を合わせた時の音圧や響きが、元々一つの金管楽器だったんじゃないかってくらいに綺麗で感動した。西條さんも天才属性らしいから、天才と天才のマッチングってこと……!?強すぎ。
「あんた、今までで一番可愛いわよ!」「私はいつだって可愛いわよ!」の応酬が泥臭くて美しくてさ。アニメ本編でもっとこのお姉さん組のバチバチを見てから、戻ってくるね……!!

誰かに眼差される側の恐怖心を、言葉少なに華恋さんとひかりさんが端的にドアップの画角で語ってたの良かった。
映画館に足を運んだ観客まで巻き込んで、お前も加害者なんだからな!ってスクリーンの中から人差し指を突き立てられるの、癖です。
それなのに、肝心の華恋ちゃんとひかりちゃんの歌劇殆ど覚えてなくってえ……なんか他の子達の感情描写が強烈すぎて、集中しきれなかった気がしないでもない。もう一回観たい。

あのド派手なショッキングピンクのT字も何かと思ってたんだけど、ラストシーンでバミリのことだってわかってスッキリしました。伏線回収がずっと上手い。

メイン2人以外の歌劇少女達が並んでるラストで、大場ななの服が他の子より断トツで淡い色合いで狂いました。対決シーンでも同じ服でしたっけ?
劇場版を通して彼女のダークな部分を存分に口に突っ込まれたと思ってたのに、最後の姿があんなに儚くて可愛らしい色合いに包まれてるただの女の子でさ。
なんかここで完全にやられた気がする。思わず連想したのが『ジャックジャンヌ』の田中右宙為でした。彼も神か悪魔か子供かっていうくらい、舞台の高みしか見えてない人なんで。
カリスマ性って人間離れしてるからこそ怖いのに、その持ち主ってどうしようもなく人を惹きつける魅力も兼ね備えてるの、狡いよな。

レヴュースタァライトのキャラクター紹介を一通り見たんですが、メインキャラ2人の色が色だけに瞳や髪色に紫色を持ってる子たちが多くて、その中で明確に黄色の絵具持ってる大場さんってそりゃあ特別なんだろうなって思いました。
麒麟は黄色いカラーリングに緑の瞳で、レヴュースタァライト?少女歌劇?に執念を燃やす存在に見えました。大場さんも金髪に緑の瞳なんですよね。リンクしてたりするんかな。

大場ななが、私が好きなブロッコリー作品とお手手繋いで迫ってくるんだ。
マジで大場ななって何?何もわからないことしかわからん。助けて。

2024.7.30追記
アニメ全話視聴しました。大場なな担当回かつ歌劇少女達の中でも唯一のタイトル回のEDの仕掛け、どうなってんの?ゾッとしました。
意味わかんねえのに、面白え女だって味がどんどん増してく。ファミチキかな?そしてあなたやっぱりキリンやんか!!!
劇場版から惹かれてやまない。本当に滅茶苦茶やってんね。大場なな、好きだ……
まひるちゃんは特に、劇場版から出会えて良かったなっていう女の子でした。アニメ全編からの前振りが上手いよ。可愛いね。

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