
#105 イギリスのクリスマス ~買わずに作る我が家流~

夕飯が終わって、薪ストーヴの前のダイニングテーブルでチクチクチクチク作業中であります。
作っているのはこんな子たちです。ひとつずつカタチが違ってしかもいびつで‥

いつも普通に「こっそり」楽しんでいたことですが、なんと今年は商売になってしまいました。
先日ご紹介しました捨てられた家具などをリメイクして売るお店、The ReSTOREでのお話、よかったら読んでみてください。
お店にはこんなメッセージを添えてディスプレイされています。

古いセーターやマフラーから生まれ変わりました!
環境に優しい羊毛でつくったツリーやオーナメントは、暖かい魅力であなたのクリスマスに魔法をかけてくれるでしょう。
あれから流木ツリー3号、4号も作りました。
夫とふたりリュックを背負い、海岸からの帰りは「おじいさんとおばあさんも山へ薪拾いに」みたいな有り様で戻って‥‥からの制作でした。

お店に置かれるとこんな感じ。
奥のツリーには売却済みの紙がくっついていました。順調に売れております。なんと感謝なことでしょうか。

こんなものも作ってみました。
たくさんあったタータンチェックの端切れでクリスマスリースです。

タータンチェックがすごく好きです。
気がついたら、子どもたちのシャツは小さなころからタータンチェックで溢れていた!
素材は全て不要になった洋服と残り物の端切れたち。
全部てんこ盛りが可愛いと思えてしまい‥‥ カラフルさが溢れかえるようなものが作りたくて、リボン状に裂いて、ラグ様のリースにしてみました。

横に並べるとこんな感じです。

ここまではお店に置いてもらうものでしたが、そろそろお世話になっている方々へのプレゼントも用意していきます。
このアドベント企画には間に合わなかったのですが、例えば去年は義理の母を気遣ってくださるご近所さんへ「ありがとう」をこんな感じで伝えました。

イギリスにはもみの木のような常緑樹が豊富にあります。自然のなか、一度の散歩でハサミでちょんちょん‥‥といただくのです。
それをテーブル中にわ~っと広げてひとりにんまりします。

テーブルのデコレーションは水を吸い込ませたオアシスに刺していきますが、マントルピース (暖炉の上)や鏡の縁などは水が使えないので、日がたつとしおれてきます。
ですから、生の緑を扱うのは20日を過ぎたあたりにしたいと思っています。

写真はまだ流行り病がなかった2年前のものです。
我が家でクリスマスの朝を迎える人たち全員のイニシャル入りクリスマスストッキングを、ヴィンテージの羊毛布からおそろいで作りました。
クリスマスの朝は、それぞれが自分のストッキングのなかのプレゼントを開けて大騒ぎします。
高価なものじゃなくていいのです。特にこれらの中身は Stocking fillers (靴下を満たすもの) と呼ばれ、ひとつひとつが安価な細々としたものを詰め込むのです。板チョコだったりみかんだったり、取り出すのが楽しいのだからなんでもありなのですね。
冒頭サムネ写真のガーランドは、ヴィンテージのカードゲームを吊り下げました。
SPELKA (スペルカ) という1900年に生まれたゲームだそうです。世界中で親しまれるSCRABBLE (スクラブル)でさえ生まれたのが1954年といいますから、これは人気が出なかったらしく、ある意味レアですよね。
この手垢感とか、時代を感じさせます‥‥

最後に、我が家のクリスマスを初めからずっと見守ってきてくれた大切なアイテムをご紹介します。
私たちがまだ日本で幼子たちとクリスマスを祝っていた頃、イギリスから義母が送ってくれた、このガーランド。

イギリスヴィクトリア時代の猫のモチーフの複製で、紙で作られています。
これが届いた時、まだ一歳半だった長男が指さして言い放った、
「まんじゅう!」
その可愛らしい声がまだ耳に残っています。
猫さんたちが持っているのはもちろん饅頭ではなく、クリスマスプディングと呼ばれるイギリス伝統のケーキです。
ドライ・フルーツをふんだんに使い、ナッツ類、パン粉、牛脂とほんの少しの小麦粉、そこへスパイスや柑橘類の皮を加え、黒ビールとラム酒、卵を混ぜたものを蒸して作られたものです。
食べる前にブランデーやラム酒を振りかけて火を付けます。青い炎を揺らめかせて食卓に運びます。
切り分けて、各々がアイスクリームやクリームと一緒にいただきます。
我が家に来てくれて24年の猫さんたちは、今年も一緒にクリスマスの歓声や笑い声を見届けてくれることでしょう。
この記事は、川ノ森千都子さんの企画に参加しています。
家に子どものいなくなった今年、初めて12月にアドベントカレンダーを用意しませんでした。
ですから、こんな形で「うちのクリスマス」アドベントカレンダーに入れていただけると知り、ワクワクしながら書きました。
ありがとうございました。
これを書くことで、イギリスのクリスマスについて私なり抱えてきた想いがあったことに気づかされました。追々続きを書いていきます。よかったら読んでみてくださいね。
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