#122 左利きの息子にあみものを教えてやれなかった私が伝えられたこと
マクラメで石を包んだアクセサリーがあるが、私は石が欲しいわけではない。
ある日可愛らしいシーグラスを眺めていたら、マクラメで包めるのではないかと閃く。
なぜそうしたかったかというと、身につけたいくらい可愛らしいシーグラスに出会うのに、素人には穴をあけることもできないから。
ペンダントにして身に着けるにはなにかの工夫をしなければならない。
やり方は全然知らなかったけれど、Youtubeで観てやってみたら、それなりに包むことができた。
次男が「いいねぇ」と言ってくれた。「ぼくにも作って~」とも。
なのに私と来たら、仕事をしていた時には休日ですら切り替えがなかなかできなかった。そんな簡単なことでも、言われてすぐに応えてやれる心のゆとりがないのだ。
母としては全然理想の状態ではなかったと思う。
仕事を辞めてからのある日、息子が言い出したことがある。「ぼくが海で拾ったシーグラスを自分で包んでみたい」と。
ずっと昔、もっと小さかった息子に、「Mummy, can you teach me knitting?」(おかあさん、あみものをおしえてくれる?)と訊かれたことがあった。
なんだか嬉しくて、早速とりだしてみたものの、
そこで大きな難関に気づくのだ。
『この子は左利きだった』
Knitting(棒針編み)は2本の棒針を使うのだが、左右で違う役割があるため、右手と左手を持ち換えるとどうしても編むことができない。自分ができないことは手取り足取り教えてやれなかったのだ。
かぎ針編みとて同じことだった‥‥
その時の不甲斐なさが心のどこかでくすぶっていたのかもしれない。
もう一度言ってくれてよかった。その時なら瞬時に応えてやれる精神状態を手に入れていたから‥‥ 息子はもう17歳になっていた。
「私も忘れちゃったけれど一緒にYoutubeを観ながらならなんとかなるか」ということでさっそく制作開始。
ふたりの手でどんどんシーグラスが包まれていく。
そうして気づいたら、こんなにできていた。ふたりで「いいね、いいねぇ~」と手を取り合った。
こうして、かつて編み物で失敗した私が息子と一緒にマクラメを楽しむことができたのだ。
そうかそうか。
もしも私のように「左利きの子にどうしても編み物が教えてあげられないお母さん、マクラメがいいですよ」と提案できる自分がいる。
自分の進歩をちょっとだけ感じる。
息子が、いつかのそんな私との時間を日本で今思い出してくれたようなのだ。
彼は今沖縄で牛の世話をして酪農家のご家族のお世話になっている。そのことは先日ここで触れた。
100円ショップで買ったコード(マクラメ紐)を使って沖縄のビーチで拾ったシーグラスを包んでみたと言って見せてくれた。
「100円ショップの紐は太いんだよね」と頭を搔きながら‥‥
自分が一緒にやったことがこんなふうにひょいと子どもの生活に生きていることが嬉しい。シーグラスはもともとゴミだったガラスが波で割れて擦られてできたもの。アクセサリーにまで昇華できたら立派なアップサイクルだと思う。
今日は次男の「シーグラスをマクラメで包んだ」経緯を書いてみた。
明日はシーグラスにもっと深い「我が家の家族の絆」が隠れていることをお話させてもらおうと思っています。
どうぞ明日も遊びに来てくださいね。