講師のお仕事vol.2
前回の記事で、高校で社会人講師をする授業の準備について書きました。
先日無事に終えることが出来たので報告記事になります。
教壇に立ち1人で話をするような授業ではなく私が準備した資料を元にミニチュア家具を作るというワークショップのような授業なのであまり緊張する必要も無かったのですが、やはり教室に入る前はドキドキしました。
生徒さんが思っていた以上に可愛く空気感も和やかだったので簡単な挨拶を済ませてすぐに作業に入ってもらうことに。
まずどんな椅子をこれから作るのかを説明。
いかにこの椅子がこの時代に素晴らしいものであったか・・・は割愛。
図面を見ながら寸法通りに切り出す時間は無いと考えて、事前に人数分
部材に線やしるしをつけて簡単に切り出せる用意をしておきました。
この切り出す作業だけでも人それぞれ個性がありスピードも違います。
検討段階では桐材を使用していたのですが、力が入らずなかなか切り出せない人もいるため背板と座板を柔らかめのバルサ材にしましたが、逆に力が強過ぎて切り口がボロボロになる人も。
微妙に長さの違う柱脚や横材ばかりなので間違えないように品番を振っているA3で用意した紙の上に置いていきます。
そして前回の記事でも載せた手描きの椅子の組立図を見ながら
組み立ててもらいました。
初心者でも分かりやすいように資料は作ったつもりでしたが
まず組立図を読み取ることが難しいようでした。
「分かりやすい」のハードルは高いと痛感・・・
一人の生徒と私とで組み立てる様子を観察してもらいながら
自分の椅子の組み立てを始めてもらいました。
木工用ボンドを紙の上に出してそれをつまようじで適量取り
部材同士を取り付けていく。
速乾と言ってもしっかり固まるまで待たないと
工程が進むにつれてバランスが崩れる原因になる為
気を付けなければいけません。
柱脚と横材を組み立てる作業が一番根気のいる工程なのですが
1人で出来る人もいれば、誰かと助け合いながら作るのもあり。
柱脚と横材、手置きが組み立てればほぼ完成です。
背板と座板は乗せるだけ。
今回は塗装まではできないと思っていたのですが
少し時間が余ったので座面と背板だけでもと思い塗装しました。
結果、私が10分終了時刻を勘違いしていた為
塗装が乾ききらない状態でチャイムが鳴りました。
あとは柱脚に乗せるだけだったんですが
生徒さんの大事な昼休憩を潰すわけにはいきませんので
延長はなし。
「次の授業で完成させるから大丈夫~!」と
言ってくれた男の子たちでした。
後日、先生から完成しましたよ。と写真が送られてきました。
心がほっこりしました。
頑張って作り上げてくれて本当にありがとうございます。
初めての講師のお仕事に初めは戸惑いと不安しかありませんでしが
終わってみると、教えに行ったはずが逆に沢山の学びを得ることが出来たことに驚いています。
私の家族や親せきは比較的教員が多いので若い頃はそこに反発して
頑なに教員だけは絶対にならないと決めていた分、目から大量の鱗状態でした。
人に何かを教えるってこんなに面白いことなんだと
40歳を過ぎてからですが気づくことができて良かったです。
これまでの人生で人に何かを教えられるだけのスキルを
自分自身が身に着けていた。
ということも大きな気づきになりました。
今回をきっかけに別の学校からもお声がけをいただきました。
次はもう少し上手く進行できるよう頑張りたいと思います。