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美術と青春とトラウマと


先日インスタグラムを見ていると、何やら見覚えのある人物の名前が!?
どうやら個展を開くらしい…

調べてみると、その人物は紛れもなく私の高校の時の美術部の後輩だった。

私は高校の頃、美術部に所属していた。
そして工業デザインの勉強ができる芸術大学への進学を目指していた。部活は毎日楽しく、先輩とも後輩とも仲良くできて(できていたつもりで)、私は学校の中で一番美術室が落ち着く場所だった。部屋中に漂う油絵の具の匂いや、傷のついた古びたイーゼル、汚い床や壁、少し埃をかぶった石膏像など全てが今でも鮮明に思い出せる。初めてデッサンをしたとき、初めて油絵の具に触れたとき、初めて粘土をこねたとき、どれをとってもワクワクしたあの感覚。

後輩の名前と「個展」の文字。

私はかけがえのないあの3年間に思いを馳せた。

結局スランプに陥り、私はそのままものすごく行きたかった芸術大学への進学をあきらめた。

当時、たくさんの人にもう少しあきらめずに頑張ってみたらと言われた。それでもデッサンを出来なくなった私の手は何も形にすることが出来なかった。私は絵を描くことをやめた。

後輩とはあまり話した記憶がないけど、真面目な男の子だったし、絵はとても上手かった。

夢を叶えたんだね。

ふいにとてつもなく苦しくなった。
好きだった美術の世界。
私には今はトラウマでしかないんだ。
自分の挫折感の根元になってしまっている。
自分という人間の無力感。

こんなはずじゃなかったのに。

私は精神の病と長年闘ってきた。
許していたつもりだった。夢をあきらめた自分を。

まだ許せてなかった。自分のことを全然認めてやれてなかった。

まだ間に合う。これからでも自分のありのままを認めてあげよう。そんなきっかけをくれた後輩へ、個展おめでとう!
陰ながらあなたの活動を応援しています。
見に行けないけど、きっと素晴らしい個展になってるんじゃないかと思います。

私も何か新しいことを始めよう!
ワクワクするような何かを。
トラウマは胸の奥にしまって。
これから私に何ができるんだろう?
そんなことを考えていると、あきらめた夢もトラウマも無駄じゃない気がする。

辛かったけどこれからの自分に
少しばかりのエールを送りたい。
病気との闘いはまだまだ続くけど、それも自分だと思えるようになっていこう。

私にもまだ未来はある。

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