コーラ戦争 コカコーラvsペプシで二項対立させてどっちも"勝ち"にするPR 【PR研究所029】
コカコーラとペプシ、あなたはどっち派ですか?
よくコーラといえばこの2社が挙げられますが、どっち派か〜みたいな話をしている時点で、コカコーラとペプシどっちも"勝ち"になっている説を提唱したいと思います。
飲料メーカーはヒット商品を生み出すのがすごく難しいと言われ、キリンのヒットメーカーと言われる方ですら「2勝100敗」と話します。
そんな中アメリカを中心に話題になっているコーラ戦争では、毎年コカコーラとペプシの戦いが繰り広げられています。
さて、このコーラ戦争ですが今までの歴史を軽く振り返ります。
例年コカコーラにシェアを取られていたペプシですが、1975年「ペプシチャレンジ」を行います。
ラベルを隠して2つのコーラを街中の人に飲みくらべてもらったところ、なんとペプシの方が美味しいと答える人が多かったのです。
それを売りにしたペプシは「ペプシはコカコーラより美味しい」を切り口に、ポジションを大きくとってきました。コーラが古くて、ペプシは革新的だ。というブランディングを始め印象をつけていきます。
ペプシのCMでは当時ティーンを中心に絶大な人気を誇っていたマイケルジャクソンを起用。イケてる飲み物だというブランドでついにコカコーラを抜いて1位に躍り出ます。
焦ったコカコーラは、昔からの味を大きくリニューアルして出しますがこれが大不評。不評すぎてデモが起こるくらいだったそうです。(そんなに?)
3ヶ月で「コカコーラ クラシック」と昔ながらの味に戻したコカコーラはまたペプシを抜いて1位を奪還するようになります。
このコーラ戦争ですが、両社とも直接的に「コカコーラよりもペプシの方が美味しい!」「ペプシよりも本家のコカコーラでしょ!」のように名指しで戦ってます。
ここには、コカコーラとペプシの二項対立にさせる時点で「コーラを買う」というもっと大きな枠組みを前提とした話がはじまっているという気づきが得られます。
ブランドの違いはあれど、その戦争に興味があるということは少なくとも「コーラ」市場に興味があるということになってきます。(ナンパ師が使うテクニックみたいでやばいですね)
この仕組みをうまく取り入れているのが「きのこの山vsたけのこの里」なのかなとも思います。
PRの事例として特に注目すべきは1点あります。
二項対立にすれば、大きな枠組みでは興味をもっていることになるというしかけです。日本ではなかなかライバル会社を名指しで〜みたいなことは少ないかもしれませんが、きのこの山vsたけのこの里、早慶戦みたいにいくつかはみられます。ユニークで愛のある戦いは参加しやすくて楽しめそうですね。