インドへ手洗い文化を輸入するため、「汚れ」の方をデザイン Hackwashing 【PR研究所053】
消費財メーカーのユニリーバは、インドで新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、手洗い文化を輸入しました。
もともとインドには石鹸で手を洗う文化がなく、外から帰った手でカレーを食べる、ような生活がありました。十分な手洗いを浸透させるため、ユニリーバは「汚れ」をデザインすることにしました。
手にスタンプ=「汚れ」を押し、それを洗い落とします。
キャンペーンの場所に選んだのは、1億5000万人が集まるヒンドゥー教の祭典「Kumbh Mela」です。(むっちゃ集まるな大丈夫かな)
来場者の手にしっかり洗わないと落ちないスタンプを押すことで、石鹸で手を洗うという行為を啓蒙していきました。
(geometry公式HPよりスクショ)
石鹸での手洗いの習慣がないインド人も、スタンプを落とすまで洗うという行為で、手洗いの意義をからだを通して理解します。
実際に、このキャンペーンにより全体のさまざまな感染症の疾患数は2013年に比べて30%も減少したそうです。
PRの事例として注目すべき点は主に1つあります。
それは、社会の時流に合わせて「手洗い」という他国の文化を、企業がパイオニアとして提案していることです。これを機に衛生面を見直すインド人がいる場合、まずはユニリーバの石鹸を選びたくなると思います。
ユニリーバに影響を受けて生活が見直されると、石鹸だけでなくもっとたくさんの製品が注目されるようになるかもしれません。ユニリーバは、衛生面で新しい提案をするパイオニアとして認知されるようになるでしょう。
また、インドは人口も多いためPR予算をたくさんかけても、きっと大きな効果として返ってくるポテンシャルがあります。