暑さが増すホラー『禍』。小田雅久仁はやっぱすごかった
これまた事前評判のよい『禍』
「評判がよい」という事以外の情報を入れずに読んだので、読み始めて気持ち悪…となりました。あんまりホラーだと謳っていないけど、まごうことなきホラー。
乱歩の人間椅子読んだあとしばらく、ふかふかのソファーに座りたくなくなるじゃないですか。あんな感じの読後感が残ります。
しかも、人の身体がモチーフになった話ばかりなので、その気持ち悪さもより身近というかなんというか。
「楽しいはずの連休が…」と始まる事故のニュースを聞く度に、不幸は常に背中合わせにあるのね、などと思うのですが、私たちの日常生活や、身体も何か恐ろしいものと背中合わせにあるのだろうな、などということを考えて今も気持ち悪いです。(褒めてる
たしかにスゴい本なんです。すごい本なんだが、ただでさえ暑苦しい夜にこんなイヤーな気分を味わうことを考えると、果たして人に薦めていいんだろか…
真夏のホラー特集ってのはお化け屋敷も含めて定番ですけど、あれは背筋が寒くなるから、なんですよね。それと比べると、ずっと粘着質な何かが残り続けるので、暑さがより増す感じになります。
という体験をしてもいい、という方はぜひ。夢見悪くなっても恨まないでね。
私は、悪い夢を見そうなので、口直しに瀬尾まいこ読んでます。
こっちのほうが涼しい気持ちになれそうかな