大好きな酒見賢一さんが亡くなってしまった
酒見賢一さんが亡くなってしまった。
色々な本を読んできたし、好きな作家もいっぱいいるけれど本の仕事に就くきっかけになった一つが『後宮小説』との出会いだったのです。
初めて読んだのは高校生のとき。子どもの頃からそれなりに本は読んできたけれど、よくありがちな「読書の谷間」のような時期に入って、積極的な読書から遠ざかっていた頃の話でした。
学校から言われた課題ばかりを読んでも、タメにはなるかもしれないけれど面白くはない。そんな私をもう一度エンタメ小説(大人の部類の)に引き戻してくれた、どころか、そのまま本の世界に放り込んでくれるような大きな衝撃を与えてくれた1冊だったのです。
その頃はこんなこと言えませんでしたが、振り返ってみても紛れもない天才だったと思うし、『陋巷に在り』などなどそこから続く中華ファンタジーもめちゃくちゃ楽しく読みました。
これぞ、ファンタジーというもの。もしまだ読んだことない人たちがいたら、読書人生の5%くらい損してると思ってぜひ手にとって欲しいです。
ということで、再読しようと思ったら案の定誰かに貸したまま行方不明。完全保存版として手元に持ちたいので、新潮社の皆さん、文庫だけじゃなく単行本も重版してくれないかなー