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読書日記

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2023年10月の記事一覧

命を繋がりを強く感じた『リラの花咲くけものみち』

命を繋がりを強く感じた『リラの花咲くけものみち』

北の大地で獣医師を目指す、といえば古くは『動物のお医者さん』

でもって最近は『銀の匙』。とそれぞれに夢中になって読みました。あ、銀の匙は酪農の話だからちょっと違うか…

藤岡陽子さんご自身が看護婦なので、彼女の小説には様々な形での命との向き合いが出てきます。今回は、口をきくことが出来ない動物たちの命を扱った小説だったということで、動物好きにはたまらない小説になっていました。もうね、誕生も、死も、

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『存在のすべてを』

『存在のすべてを』

周囲の読み手たちが大絶賛しているのを見ていて、数々の積ん読本を脇に追いやり読み始めて一気に読了。もうね、後半というか最後のあたりは「なんでここで私は涙を出してるんだろう」ってわかんないくらい、涙がこぼれてきました。
もしかしたら、親になったからこそわかったことがあって、それで流れた涙なのかもしれません。

塩田さんといえば『罪の声』。テーマこそ違いますが、二児同時誘拐事件の勃発から、警察の緊張感を

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読書日記:最近読んだ本を一挙に

読書日記:最近読んだ本を一挙に

新しい期が始まって仕事が変わった途端、急激にバタバタしていて本の感想を言う時間も作れずにいました。ついでにパソコンと向かい合う日々のため急激に老眼が進行中
昔の文庫を読むと「なんでこんな小さい活字を読んでたんだろう」と思うことが多いのですが、やはりスマホ、PC時代になって目の老化進行も早くなってるんですかね。出版不況の一番の敵はきっと老眼です。

ということで、最近読んだ本から気になった本をいくつ

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クールな殺し屋たちが健在『777』

クールな殺し屋たちが健在『777』

デビューしたところから、ずーっとずっと追いかけてきた伊坂さん。どうにかしてこの人の本を売りたい、みんなに知ってほしいと思ったあの日から気づけば20年以上が経過してるんですよ。いやー歳を取るわけだ。
ベストセラーになり、映画になり、というのはあたり前の出来事になったとして、一番感慨深いのが新入社員たちが紹介してくる本に入ってる「好きな作家:伊坂幸太郎」という文字ですかね。

伊坂さんの作品に出てくる

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