星の約束

宇宙の果てのその果てに
光る星2つ

果てしない宇宙の中
星は互いに瞬き合い
いつか1つになる事を夢みた

そんなある日
宇宙が動き星々は流れた

その流れる一瞬に
星2つは約束を交わす

必ずまた逢おうと…


星々は光となり
キラキラスーッと流れていった


スーッと流れた光の先は
青い星の薄暗い水の中
穏やかなリズムと温かな水
その中で眠りつづけた

幾月も眠りに着いた星1つに
目覚まし時計がなる

辺りは急に真っ暗に…
穏やかなリズムは消え
暗い道に導かれた

暗い道は細く狭い
狭い狭い道を通り

やがて星は眩い光を浴びる

そこは騒がしい音に
ぼんやりとした明るい光
懐かしさを感じる誰かの温もり
全てを忘れた新しい命の誕生


その暫く後
もう一つの星もまた

青い星の薄暗い水の中に流れ落ち
幾月かの眠りについた後
何かに導かれる様に産まれた
約束を忘れた新しい命


1つの星は男の子

1つの星は女の子


2つの星は
違う場所で全く違う時を
共に過ごした


楽しみ、喜び、怒り、悲しむ

空と海の青
森の緑
太陽の光に
大地を濡らす雨
宙を舞う風
動物…人…物…

出会う物、起きる事全てを
体験し味わった

幾多の時を超え
星々は大人になる


1つの星は別の星と恋をして

もう1つの星もまた
別の星と恋をした


1つの星は3つの星の命を育み

もう一つの星もまた
2つの星の命を宿し育んだ

互いの約束など忘れて…


幾年も育みの時が過ぎ
1つの星の恋は終わりを告げる

それから幾年か過ぎた頃
もう一つの星の恋も終わった


幾多の星が輝く地球で
約束を忘れた2つの星は
忘れた約束のもとに出会う


星は互いに惹かれあい


寄せては返す波の様に

近づいては離れ
別々の時を過ごし
ひと時を共に過ごす


流れ行く時の中で
忘れていた何かが
ぼんやりと心に蘇る


互いに合わす瞳
重なり合う手


寄せる波が止まる頃
星と星は重なり合う


静かに流れる
青い地球の時の中で
無くした何かを確かめる様に


2つの星は1つとなり輝きを増した


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