鬼は外 福は内 毎年節分は 豆を撒かれて追いやられる鬼達 それを毎年、当たり前の様に思っていた 鬼達の中の1人の赤鬼が言いました 「なんで俺達鬼はいつも悪者で 節分には豆をぶつけられて 逃げなきゃいけないんだ? 俺達、そんなに悪い事してるのか?」 すると、もう1人の青鬼が 「地獄で閻魔様のお手伝いしてるからかなぁ?」 と言いました すると赤鬼は 「そりゃぁ…側から見たら酷い事してる様に 見えるけどさぁ… あれって、地獄にくる様な事を 人がしなきゃ良いだけだろ?
暮れゆく空に浮かぶ月 昼と夜のはさま 冬の夕暮れは 愛しい人の温もりが 恋しくなる 凍てつく寒さは その想いを募らせ あの人の元へと 急く気持ちを抑えて 冬の道を皆 走り去って行く
かぎ針編みで編んだ、玉編みポーチ なんて事ない普通のポーチ このポーチに何を入れる? どうせならお気に入りの物や 大切な物を入れておきたいね そんなお気に入りのモノを増やして 好きなモノに囲まれて 自分自身を満たしてあげたい お気に入りのモノを 大切に扱う様に 自分自身の事も 大切に扱ってあげよう 自分自身に ありがとう そこから始まる幸せの一歩
暫くすると、奥の部屋から 1人のお爺さんが現れました。 そのお爺さんは白い髭をはやし 赤い服に赤い帽子… 「まるでサンタクロースだ」 と小さな声でブルーが呟くと そのお爺さんは 「フォッフォッフォッフォッフォー」 と笑いながら 「まさしく、ワシがサンタじゃ」 と言いました。 そして… 「トナカイに話は聞いたぞ、 トナカイの落としたワシの物を 届けてくれたそうじゃな。」 「それがないとクリスマスに 困る所じゃった、ありがとう」 と、言いました。
そしてブルーは 街とは反対の森の方に向かって 走りだしました。 サンタの家は森の奥の奥深い所にある と、昔聞いた事があるからです。 ブルーは何も考えずに 走って走って走りました。 けれどサンタの家は見つかりません。 「どうしよう…」 ブルーが途方にくれていると 少し先の方に見た事のない 木の矢印板が建っています。 近寄ってみると、そこには 【Santa house】 という文字と矢印が書かれていました。 (こんな板、今まであったかなぁ?) そんな事を思
暖炉の火をぼんやり眺めながら トナカイはふと暖炉の脇に干してある サンタのブーツや帽子が目に止まりました。 そうだ!! トナカイは何か閃いた様です。 ふふふふ… トナカイは楽しそうに笑いながら サンタの帽子を1つ持って 外に飛び出して行きました。 トナカイはブルーの家の前にいます。 そしてブルーの家の前に サンタの帽子を一つ置いて その夜は家に戻りました。 次の日の朝になり、 ブルーが玄関を開けると 少し先に何かが落ちています。 (おや?あれはなんだろう?
街はクリスマスツリーが飾られた 12月の寒い日。 イタズラ好きのトナカイが サンタに言われたお使いを終え サンタの家に戻る途中のことです。 小さな家の窓から 寂しそうに外を眺めている 小さな熊の男の子を見つけました。 小さな男の子の名前はブルー。 ブルーは毛の色も耳も何故か青く その事でお友達から揶揄われ 傷付いていました。 そんなブルーを慰めてくれるママとパパは ブルーがもっと小さい頃に事故に合い もう居ません。 時々、近くに住むイジワルな叔母さんが ため息を
宇宙に浮かぶ美しい青い星に まだ人間が住んでいない頃のお話 宇宙に浮かぶ美しい青い星には 天使と人魚が住んでいました 地上の上を黄金色の光を放つ天使が舞い 雄大な海を人魚が泳いでいます 天使は空を舞い神様から貰った 命の種を大地に蒔きます 種が大地に落ちると、大地はキラキラ輝いて その光の中から美しい花々が咲き乱れました そして時折… その光の中から ミツバチや蝶が生まれます ミツバチは 花と花の愛の交換を手伝い その御礼に花から蜜を貰って その蜜を愛するミツバチ
ひまわりは私にとって特別な花でした 生きることに意味を見いだせない どうしようもないゴミ箱の様な毎日が あの子がお腹の中に来た事で… あの子がお腹にいた時は 今までのどんな時よりも 輝いていたし 幸せだった ずっとそばにいたかった 貴方に、笑って欲しかった 貴方の温もりを感じたかった けれど… その先に進んだ道が 別々の道であったとしても 私は貴方を愛しています 貴方が見せてくれた 奇跡の笑顔を忘れる事はない 忘れられない… そんな私が 貴方の為に
宇宙の果てのその果てに 光る星2つ 果てしない宇宙の中 星は互いに瞬き合い いつか1つになる事を夢みた そんなある日 宇宙が動き星々は流れた その流れる一瞬に 星2つは約束を交わす 必ずまた逢おうと… 星々は光となり キラキラスーッと流れていった スーッと流れた光の先は 青い星の薄暗い水の中 穏やかなリズムと温かな水 その中で眠りつづけた 幾月も眠りに着いた星1つに 目覚まし時計がなる 辺りは急に真っ暗に… 穏やかなリズムは消え 暗い道に導かれた 暗い道は細
ここは緑豊かな自然の神と人が 共に暮らす平和の村 平和の村には幸せを映し出す鏡がありました そこには、その村そのものが映し出されていて いつも白鳩が優雅に空を舞っていました それだけその村は平和で 豊かで幸せに満ちていたのです 村には自然の神と人が共に暮らすために 人が足を踏み入れては行けない場所や 採ってはならないものなど 幾つかの掟がありました その神と人々の約束を見守る神の使いが 優雅に空を舞う白鳩のエルです 村の人々は自然の神と共に生き 村人全てが家族の様に
一段一段ゆっくりと 登る螺旋階段 けれど以前の様に 足元だけを見て歩くのを 少女はやめました 「前をみて歩こう…」 そう決めたのです 少女の目に 少しだけ力が宿りました どれ程の階段を登ったのか… 幾度の夜を超えたのか… 何度も繰り返し見える景色 螺旋階段はどこまでも どこまでも続いている様に見えます 少し嫌気がさした少女は ある踊り場で座りこみ考えました また進むのか… もうここでやめるのか ぼんやりと見えない空を眺めながら 少女はハートの羅針盤に 意識
静かな湖の奥の奥の奥深く ぼんやりと光る 薄汚れた光の球がありました その中には眠りの魔法をかけられた 1人の少女がひっそりと眠らされていました ある日の事 眠りについていた少女が 長い事、悪夢にうなされ続けていると 薄汚れた光の珠が少しずつ上に上がり 水面より5メートル程下の辺りで パリンッ と言う音と共に光の珠は割れ 消えてしまいました 少女にかけられた眠りの魔法がとけたのです 今まで眠りの魔法で守られていた少女は 急に水の中に放り出され 呼吸も出来ずに苦しみま
ある少女の優しいエピソードを聞かせて頂き、それを元に物語を書いてみました。 命を命として扱える純心さと優しさ。 当たり前の様で当たり前ではない事。 そんな、命を命として扱い愛をかけられる少女の温かなハートを思い、簡単な物語を作らせて頂きました。 あるところに 豊かな豊かな 実りの村がありました 実りの村には 心優しい女の子がいました 名前はユラ ユラは村の動物達と仲良し。 動物達の話を聞いて 手当てをしたり、お薬を処方しています。 ある年の事 その年は日照り続き
遥か彼方に続く海 寄せては返す波の音 夏色に変わり始めた山々の緑 川に泳ぐ魚達 足下には花が咲き 鳥達が歌う どこまでも続く空の青に 風に運ばれる季節の香り 満たされた心が 全てこのままで良い そう感じているのに… ひとたび日常に戻れば あれが足りない これをしなくちゃと 何かを探し始める 野山を駆け巡る風の様に 空を旅する雲の様に ただ在れば良い ただ在るだけ 簡単なはずなのに 難しく感じてしまう そして難しくしているのは 自分自身なんだろうな