【映画レビュー】『バベットの晩餐会』:静かで、ささやかで、慎ましく
ホントに静かすぎるほど静かな映画なのに、どうしてこんなにワクワクしてしまうのだろう。そんな不思議な魅力を持つ作品である。起伏のあるストーリーがあるわけではなく、事件が起こるわけでもなく、出てくる人に
誰一人として悪い人もいない。それなのにどうしてこんなにおもしろいのか、その魅力の源泉を探ってみたい。
質素に慎ましく生き続ける老姉妹
舞台となるのは、デンマークの海辺にある本当に小さな集落。映画を見る限りだと、家が10軒くらいしかなさそうである。
そこに暮らす老姉妹は、